英語の受動態は、英語の文章で頻出する用法のひとつです。日本語にも受動態の考え方はありますが、英語の受動態と日本語の受動態では、特にニュアンスの観点などで異なる点が多く、一朝一夕でマスターできないのも事実です。

そこでこの記事では、英語の受動態の用法やルールなどを網羅的にまとめ、英語の受動態の使い方を徹底解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

受動態の基本形は「be動詞+過去分詞+前置詞+(人・モノ)」

英語の文で、「AがBに~する」という形を能動態というのに対して、「BがAに~される」という形を受動態といいます。

英語の受動態の作り方は非常に簡単で、以下のような形となります。

「S+be動詞+過去分詞+前置詞+(人・モノ)」「SV」の形を「S+be動詞+過去分詞」の形に変換し、動作の主体である名詞を後ろに、動作の客体である名詞を後ろに持ってくるだけでOKです。

なお、英語では動作の客体の名詞は後ろに移動すると同時に、前置詞を伴って補語になります。前置詞は、もともとの文の主格がヒトか、モノかなどによって変わります。

動作主体がヒトなどの場合:「by」

 The musical is played by many performers.
そのミュージカルは多くのパフォーマーにより演じられている。

動作主体がモノの場合→「with」

 Many microorganisms were observed with microscope.
顕微鏡でたくさんの微生物が観察された。

媒体などを示す場合→through

 A message was sent through the internet.
ネットを通じてメッセージが送られた。

英語では補語は省略することもでき、動作主体を説明する必要がない場合は以下のようにすっきりとした英文になります。

 Two men were killed.
2人の男性が殺された。

また、前置詞が変わると意味が変わる場合もあります。「made from」と「made of」の違いが代表的なものです。

 Coffee is made from beans.
コーヒーは豆からできる。
Car is mainly made of engine, body panel, tire, interior accessories, etc.
車はエンジン、ボディパネル、タイヤ、内装アクセサリなどから構成される。

「made of」は材料を表す場合に主に使われ、「made from」は何かを組み合わせたり、変化させたりする場合に使われることが多くなっています。

頻出同士の過去分詞をおさらい

英語の受動態の文を作るには、主要な過去分詞を覚えておく必要があります。規則、不規則様々なパターンを今一度おさらいしてみましょう。

原形 過去形 過去分詞
play played played
have had had
come came come
put put put
forget forgot forgotten
go went gone

「-ed」をつけるだけでいいもの、過去形と過去分詞で異なる形をとるもの、putのように全く変化しないものなど、さまざまなパターンがあります。
英語の受動態の文を作る際には、過去分詞を置くべきところに、間違って過去形を置かないように注意しましょう。

例文で受動態の文法を身につけよう!時制別に解説

英語の受動態の基本ルールを理解したら、つぎは実際に例文に触れて理解を深めましょう。

現在形・現在進行形の受動態

英語の現在形の受動態は、これまでご紹介してきたルールどおりに、後ろ(目的格)に置いてある名詞を前(主語)に持ってきて、「be+過去分詞」の形に組みなおすだけでOKです。

能動態との比較とともに、受動態の肯定文・否定文・疑問文も例文でみていきましょう。受動態の肯定文を否定文・疑問文にする方法は、能動態のときと変わりませんので、すんなり理解できると思います。

Taro wrote the science fiction novel.(能動態)
太郎がSF小説を書いた。
The science fiction novel was written by Taro.(受動態の肯定文)
そのSF小説は太郎によって書かれた。
The science fiction novel was not written by Taro.(受動態の否定文)
そのSF小説は太郎によって書かれていない。Was the science fiction novel written by Taro?(受動態の疑問文)
そのSF小説は太郎によって書かれましたか?

現在進行形の受動態を作る場合には、「S+be動詞+ing形+過去分詞」の形にします。

Jiro is now using the tools. (能動態)
次郎が今工具を使っています。
The tools are now being used by Jiro. (受動態の肯定文)
工具は今次郎に使われています。
The tools are not being used by Jiro now. (受動態の否定文)
工具は今次郎に使われていません。Are the tools now being used by Jiro? (受動態の疑問文)
工具は今次郎に使われていますか?

過去形の受動態

英語の受動態を過去形にする場合は、現在形の文のbe動詞を過去形にするだけでOKです。

The book is read by many people. (能動態)
その本は多くの人に読まれている。
The book was read by many people. (受動態の肯定文)
その本は多くの人に読まれていた。
The book was not read by many people. (受動態の否定文)
その本は多くの人には読まれていなかった。Was the book read by many people? (受動態の疑問文)
その本は多くの人に読まれていましたか?

完了形の受動態

英語の受動態を完了形にする場合は、現在形の文のbe動詞を「have+been+過去分詞」に変化させます。
また、haveは能動態の場合と同じく、三人称単数の場合は「has」に、過去完了の場合は「had」になります。

 The place has been visited by many tourists for years.(現在完了形の肯定文)
その場所は何年もの間多くの観光客に訪問されている。
The place had not been visited by tourists for years.(過去完了形の否定文)
何年もの間、その場所に観光客は来ていなかった。

受動態を使って表現するケースを紹介

英語では、「~される」と和訳されない場合でも、受動態にすることがあります。具体的には、以下のようなケースです。

  • 行為者がはっきりとしないとき
  • 行為者をあえて言う必要がないとき
  • 強調したい内容を先頭におきたいとき
  • 能動態では主語が長くなりすぎるとき
  • 主語を前後の文と統一したいとき

では、それぞれのケースを見てみましょう。

行為者がはっきりとしないとき

誰が行為者かはっきりしないときには、受動態が使われることが多いです。

 A young girl was kidnapped.
幼女が誘拐された。
A cup is placed on a table.
テーブルの上にカップが置かれている。

上の例文の場合、行為者をいうならば「somebody」や「someone」となりますが、受動態で表現するのが一般的です。

行為者をあえて言う必要がないとき

行為者はわかっているが、あえて言う必要がないときにも受動態が使われます。

 The historic site is now abandoned.
その歴史的スポットは今放置されている。

上の例文の場合、行為者は「people」などですが、わざわざ言わずとも想像がつく情報なので省略されています。

強調したい内容を先頭におきたいとき

文の中で重要なもの、伝えたい内容を先頭に持ってくるため、あえて受動態にする場合もあります。

 2 men were killed by a murderer.
男性2人、女性3人が殺人鬼に殺された。

上の例文の場合、「2人の男性」のほうが「殺人鬼」より伝えたい情報であるため、先頭に持ってきています。

能動態では主語が長くなりすぎるとき

能動態で主語が長くなると、頭でっかちな英文となりポイントがぼけてしまいます。長い修飾語がくっついた名詞句が主語にくる場合などは、能動態を受動態に変換することで、文頭がスリム化されます。
また同時に、左記にも述べた「大事なポイントを前に持ってくる」という効果も得られます。

The man who currently works as engineer in the US published a technical paper.(能動態)
アメリカでエンジニアとして現在働いている男が技術文書を出版した。
A technical paper was published by the man who currently works as engineer in the US.(受動態)
その技術文書は、アメリカでエンジニアとして現在働いている男が出版したものだ。

主語を前後で統一したいとき

ひと続きの文で、動作の主体が二転三転するとわかりずらくなってしまいます。この場合は、一部で受動態利用すると、主語を前後で統一させることが可能です。

The man made a speech in front of audience, and they asked many questions to him.
男性は聴衆の前でスピーチを行い、彼ら(聴衆)は彼(男性)に多くの質問をした。

上の例文はすべて能動態で表現しています。前の節と後ろの節で主語が変わってしまい、わかりにくくなっていますね。

The man made a speech in front of audience, and was asked many questions.
男性は聴衆の前でスピーチを行い、聴衆から多くの質問を受けた。

後ろの節を受動態にすると、前後の主語が「男性」に統一され、読みやすい文になりました。

英語の受動態まとめ

英語の受動態は、日本語のそれと似通った部分も多いですが、英語独特の使われ方をする場合も多くあります。しかし、基本ルール「S+be動詞+過去分詞+前置詞+(人・モノ)」さえ頭に入れれば、あとはいつもどおり、否定文や疑問文、そして過去形や完了形には変化させるだけです。

実際の英文に触れれば、さほど時間がかからずマスターできます。ぜひこの記事を参考に、英語の受動態をすばやく身につけてくださいね。

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