突然ですが、動詞と準動詞の違いはわかりますか?似たような名前だしどっちも同じようなものでは?と思っている人も多いかと思いますが、動詞と準動詞は全く異なる文法的役割をもちます。

この記事では、準動詞にフォーカスをあてて、その意味や役割を説明していきます。これを機会に、準動詞をなんとなく理解していた人はクリアーにしていきましょう!

準動詞の特徴

英語に精通している人でも、「準動詞」という言葉は聞きなれない人も多いのではないでしょうか。しかし、不定詞、動名詞、分詞といわれれば聞き覚えがありますよね。

実は、準動詞とはこれらの品詞を総括した呼び名です。つまり、準動詞には動名詞、不定詞、分詞の3種類にあるという理解を、まずは頭に入れましょう。

準動詞は「動詞の派生形」であり「動詞」ではない

準動詞は、名前に「動詞」とついていますが、実は動詞ではありません。つまり、いずれの準動詞も英文の述部(V)の位置に置くことができず、ふつうの動詞として用いることができない、ということです。

準動詞は、大元の動詞が派生したものであり、文法上のカテゴリ(品詞)は形容詞だったり、副詞だったり、あるいは名詞だったりもします。

この仕組みを、例文で確認してみましょう。

He plays the piano.
彼はピアノを弾きます。
He likes playing the piano.
彼はピアノを弾くことが好きです。

どちらの英文でも、「(楽器を)弾く」という動作を表す「play」という単語が登場しますが、前者は動詞のplayであり、後者は動名詞のplayingです。動名詞playingは、動詞playから派生した準動詞というわけです。動作を表しますが文法上では名詞として区分されていることがわかりますね。。

準動詞は名詞・形容詞・副詞としてのはたらきがある

準動詞は、名詞、形容詞、副詞として英文中で機能します。それぞれの例を見てみましょう。

<名詞として機能する場合>
Sleeping too much is harmful for your health.
寝すぎは健康によくない。

※動名詞のsleepingが主格として機能

<形容詞として機能する場合>
A sleeping cat is on the car.
車の上で猫が寝ている。

※現在分詞のsleepingが名詞のcatを修飾

<副詞として機能する場合>
I study hard to pass the exam.
試験に合格するために一生懸命勉強している。

※to passがto不定詞の副詞的用法として機能

英語の準動詞パターン1:動名詞

冒頭で、準動詞には「動名詞」「不定詞」「分詞」の3種類があると紹介しましたが、ここでは動名詞について説明していきます。

動名詞は、その名が示すように動詞が名詞になったものです。単語の末尾が「~ing」の形で表され、「~すること」のように訳せる場合がほとんどです。

動名詞は文字通り「名詞」ですので、英文中での使い方はふつうの名詞と同じです。主語、目的語、補語の位置に置くことができます。

<動名詞を主語の位置に置いた場合>
Playing the guitar is not easy.
ギターを演奏するのは簡単ではない。
<動名詞を目的語の位置に置いた場合>
He like singing songs.
彼は歌を歌うのが好きだ。
<動名詞を補語の位置に置いた場合>
My hobby is running.
趣味はランニングです。

また、ふつうの名詞と同様に、形容詞をくっつけて被修飾語として使うこともできます。

Technical writing is one of the writing methods.
テクニカルライティングは、文章執筆作法のひとつです。

英語の準動詞パターン2:不定詞

不定詞は、文字通り「定まらない詞」という意味を持つ品詞であり、まだ起きていないこと、不確定なこと、というニュアンスを含む品詞です。日本語にはない品詞であり、使いこなすのが比較的難しい品詞でもあります。不定詞は必ず、以下のような形で表されます。

to + 動詞の原形

また、不定詞の用法には3種類の用法があります。

  • 名詞的用法
  • 形容詞的用法
  • 副詞的用法

では、それぞれの用法について詳しく見ていきましょう。

不定詞の名詞的用法

不定詞の名詞的用法は、不定詞を名詞のように用いる用法です。動名詞と同様に、主語、目的語、補語の位置に置くことができ、「~こと」のように訳します。

I like to play the guitar.
ギターを弾くの(こと)が好きです。

動名詞との違いは「未来志向」「前置詞を置けない」の2点

動名詞と不定詞の名詞的用法は互いに共通部分が多く、似たような使い方ができますが、動名詞が過去の事実や現在の進行状態に基づくのに対して、不定詞は「まだ定まらない」未来のことについて言及するという違いがあります。

I stopped to take pictures.
私は写真を撮るために立ち止まった。
I stopped taking pictures.
私は写真を撮るのをやめた。

上は不定詞の文ですので、「to take pictures」はこれから起こる、未来の出来事となります。一方で、下は動名詞の文で、「taking pictures」が進行中の動作を表しますので、和訳に大きな違いが出てくるのです。

また、名詞的用法はあくまでも名詞「的」であり、厳密には名詞ではありません。そのため、ふつうの名詞であれば当たり前のように前置詞を置くことができますが、不定詞の前に前置詞を置くことができないなどの制約が発生します。

× I bought textbooks for to study.
〇 I bought textbooks for studying.
私は勉強するために教科書を買った。

不定詞の形容詞的用法

不定詞の形容詞的用法は、形容詞のように不定詞を用いる用法です。名詞にくっつけて修飾したり、補語の位置に置いたりできます。

I need something to write with.
何か書く(ための)ものがほしい。

和訳するときには、「~するための」や「~するような」として訳します。

不定詞の副詞的用法

不定詞の副詞的用法は、副詞のように不定詞を英文中で用いる用法です。目的・結果・原因・理由・条件・程度・譲歩など、文脈に応じて様々な意味に変化します。

I run every day to lose my weight.
体重を落とすために毎日走っている。【目的】
I was glad to see you.
あなたに会えてよかった。【原因・理由】

目的格に置く場合の、動名詞とto不定詞の使い分け方は?

動名詞と不定詞の名詞的用法はかなり似ており、目的格に置くときにどちらを使えばいいのかは悩みどころですが、しっかりとしたルールがあります。文中で使われている動詞によって4パターンに分けられますので、ここでは代表的なものを紹介します。

目的語に動名詞しかとれない動詞 finish, avoid, deny, escapeなど
目的語に不定詞しかとれない動詞 decide, determine, hope, wishなど
どちらもとれるし、意味も同じ動詞 like,loveなど
どちらもとれるが、意味が変わる動詞 forget, rememberなど

finish(終える)」は、終える対象がすでに完了した、過去の事実であることは言わずもがなですよね。そのため、不定詞を目的語にとることができないのも自然と理解できるかと思います。必ず目的語には、「-ing」形の動名詞が置かれます。

逆に、「decide(決める)」は、これからやりたいことに対して使う動詞です。そのため、未来志向である「to+動詞の原形」で表される不定詞が置かれます。

また、最後の「どちらもとれるが、意味が変わる動詞」は、たとえば以下のように意味あいが変わってきます。

I remembered turning lights off.
照明を消したことを思い出した。
I remembered to turn lights off.
照明を消さなければいけないことを思い出した。

動作が実行されたかまだかの違いが生まれます。『動名詞との違いは「未来志向」「前置詞を置けない」の2点』の項目でも触れたポイントですね。

英語の準動詞パターン3:分詞

分詞には、現在分詞と過去分詞の2種類があります。現在分詞は単語の末尾に「-ing」をつけることで共通していますが、過去分詞はさまざまなパターンに分かれます。
(過去分詞に関して解説している記事【英語 分詞】もご参照ください)

現在分詞と過去分詞はどちらのも形容詞として機能し、be動詞の直後におかれて人・モノの状態をあらわしたり、名詞を修飾したりといった役割を果たします。また、現在分詞は動作が能動的なときに、過去分詞は動作が受動的なときに使われます。

This movie is shocking.
この映画は衝撃的だ。
I was shocked with this movie.
この映画を見て衝撃を受けた。

後置修飾

分詞で名詞を修飾するときには、原則として名詞の後ろから修飾します。これを「後置修飾」といいます。長い修飾詞を被修飾語の前に置くことで、大事な部分が後回しになってしまわないようにするための措置です。

The boy moving around is my son.
動き回っている男の子は私の息子です。

ここでは、現在分詞movingを含めた「moving around」という2語で修飾を行っています。

なお、分詞1語単独で修飾できる文に限っては、名詞の直前に置かれますので注意しましょう。

A walking woman is looking around.
歩いてる女性があたりを見渡している。

分詞構文

文を圧縮してスマートな英文を作るテクニックである分詞構文を作る際にも、過去分詞や現在分詞が使われます。分詞構文は、理由・時・条件・譲歩・結果・付帯状況など、文脈に応じて意味を変化させます。

Frankly speaking, he is not a good guy.
フランクに言って、彼はいい男ではない。
Having no money, I did not buy toys.
お金がなかったので、おもちゃを買わなかった。

英語の準動詞まとめ

英語の準動詞「動名詞」「不定詞」「分詞」の3つであり、それぞれ独自の使い方をされます。また、不定詞のように日本語にはない概念があったり、一部は暗記に頼らなければならない部分もあったりと、英語初心者の方にとって準動詞は少々難しく感じるかもしれません。

英文に触れる過程で、「-ing」形「to+動詞の原形」過去分詞などに出会った際には、文法上でどのような役割を果たしているかをまずは細かく確認してみましょう。そのうえで、少しずつアウトプットの際にも使っていくことでだんだんと理解が進み、マスターできる日も近くなるでしょう。

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