日本人は「命令」と聞くと、「~しなさい!」という上から目線や偉そうな態度を思い浮かべてしまいます。ですが、英語の命令形は、日本語のニュアンスと少し違います。

もちろん日本語と同じ意味の場合もありますが、英語では、その他にも依頼や提案、勧誘の意味でも命令形を使います。命令形と知らずに使っている用法もあるかもしれません。

この記事では、さまざまな使い方ができる英語の命令形の基本から応用まで解説します。これを読めば英語の命令形の基本はバッチリです!

命令形の基本は「主語の省略」と「動詞を原形にする」

命令形とは、相手に対して命令・提案・指示・依頼などをする際に使う文型です。英語の命令形では、日本語の「命令」よりも幅広い使われ方をします。

英語における命令形は、日常会話の中で気軽に使っていることが多く、仲の良い友達同士や家族のなかでカジュアルなお願いをする時に「~してくれる?」というニュアンスでも使われます。

英語の命令形の文章を作る場合のポイントは以下の2つです。

  • 主語を省略すること
  • 動詞を原形にすること

命令文は、相手に対して何かしてもらうために言う文章なので、英語では主語をあえて明確にする必要がないのです。

動詞が必ず原型になるのは、「まだ行われていない状態」という意味が含まれているからだと考えられます。しかし、ここは理屈ではなく、英語ではそういうものだと覚えてしまうのが良いでしょう。

では、例文を見てみましょう。

Have a seat.
お座りください。Be quiet.
静かにしてください。 / 静かにしなさい。

どちらも主語はなく、動詞は原形ですね。なお、「are」や「is」などbe動詞を原形にするとすべて「be」になります。

命令形は基本的に軽いお願いに使われる

命令形を日本語で訳すと、しばしば「~しなさい」のように高圧的になりがちです。しかし、基本的に英語の命令形は「牛乳取って」、「ドアあけて」など、「~して」というような、軽いお願いをする状況でも日常的に使われています。

Pass me the milk.
牛乳とって。Give me a break.
(休みをください =)勘弁してよ。

お願いのニュアンスが強いときは、「please」を文頭か文末につけると、やや丁寧な印象にできます。
ビジネスの場などでは、動詞の原形単体での命令形ではやはり失礼になりますので、「Would you please」「Could you」といった婉曲表現を使うようにしましょう。

Come here, please.
こっちに来てくれる?Please pass me the salt.
塩を取ってください。Could you tell me your name?
お名前をいただけますか?Would you please open the door?
ドアを開けていただけますか?

「please」をつけると丁寧な表現になるので、日本語で言うと敬語を使っているような言い方に聞こえてしまいます。友達同士でpleaseを使うと少し間柄に距離があるイメージになります。

余談になりますが、pleaseも言い方によっては命令のニュアンスを出すことができます。pleaseをゆっくり、強調して言うと「お願い!」という有無を言わせずやらせる、威圧的な印象になります。

命令形には「and」か「or」が併せて使われることもある

基本の命令形に「and」か「or」という接続詞を併せると、それぞれ「~しなさい、そうすれば」、「~しなさい、さもなければ」という、結果を予測させる命令文になります。

「and」を使えば「ポジティブな結果が待つ」命令文に

命令形の後に「and」で文章をつなげると、「~しなさい、そうすれば」というポジティブな結果を伝える文章になります。また、andの代わりに「so that」を使うこともできます。その場合も、andと同じ意味になります。

Give me that chocolate and I will make you a cake.
そのチョコレートをください、そうすればケーキを作ってあげます。Study every day so that you will pass the exam.
毎日勉強しなさい、そうすれば試験に合格します。

「or」を使えば「ネガティブな結果が待つ」命令文に

反対に、命令形の後に「or」を使って文章をつなげると「~しなさい、さもなければ」というネガティブな結果を伝える文章になります。「命令形+or」はかなり強い表現になるので、目上の人と話すときやビジネスの場面では使い方に十分気を付けてください。

Go to school or you will fail.
学校に行きなさい、さもなければ留年しますよ。Be careful or you will get hurt.
気を付けなさい、さもなければ痛い思いすをるよ。

強い命令のニュアンスを含む命令形の用法

英語にももちろん、日本語の命令文のような強い命令のニュアンスを含んだ用法もあります。

あえて主語を入れると強い命令のニュアンスになる

強い命令のニュアンスを伝えたい時には、文の初めにあえて「You」などの主語を入れます。主語を入れると、相手に対してピンポイントで命令しているという強い表現になります。

You be quiet!
(あなた、)静かにしなさい!Somebody help me!
誰か助けて!

人の名前を主語にすることもできます。その場合は、カンマが必要です。

Charly, listen to me!
チャーリー、私の話を聞きなさい!Watch out, Jennei!
気を付けて、ジェニー!

「~するな」という命令文は「don't」「never」が使われる

「don't」や「never」を使うと、強めの否定の命令文を作ることができます。「don't」よりも「never」の方が命令のニュアンスが強くなり、「絶対に(二度と)~するな」という意味になります。

Don’t be late.
遅れないでね。Don’t eat too much.
食べ過ぎないようにね。

「Never」には否定の意味が含まれていますので、他に「don’t」など否定の言葉を入れる必要はありません。子どもを叱るときなどにもよく使われます。

Never come back.
二度と戻ってこないで。Never be so drunk.
二度とそんなに酔っぱらうな!

そんな強い否定の意味を持つ「never」の命令形は、カジュアルに使われることもあります。

Never give up!
決してあきらめるな!Never mind.
気にしないで。

また、この否定の命令形は、上記で解説した「主語を入れると強い命令のニュアンスになる」という形と併用して使うことも可能です。その人に対して特に強く言いたい場合に使う表現です。

You don’t be so noisy.
あなたはそんなにうるさくしないでください。

助動詞「have to」「must」を併用すると、さらに強制感が強まる

英語の命令形は、命令というよりも日常でカジュアルなお願いをしたり提案をしたりするときに気軽に使う表現が多いです。ただし、「have to」や「must」を文章に入れると「~しなければならない」という強制の意味が強まり、日本語の命令と同じように使えます。

命令のニュアンスとしてかなり強くなるので、使う相手やシチュエーションに注意しましょう。

You have to clean your room.
あなたは部屋を掃除しなければいけない。You must go now.
あなたは今すぐ(出て)行かないといけない。 / 今すぐ出ていって!

併せて覚えたい命令形の用法

英語の命令形はさまざまな場面に使用できます。上記で解説してきた他にも、よく使う命令形の用法があります。併せて覚えておきましょう。

「Tell」「Ask」+「人名+to+動詞原形」で第三者への命令になる

「tell」+人名(人称代名詞)+ (not) to + 動詞の原形で「人名に動詞をして(しないで)と伝えてください。」という意味になります。

Tell him to call me.
彼に、私に電話するように伝えてください。Tell Jennie not to work too hard.
ジェニーに働きすぎないよう伝えてください。Ask James to bring teacher a chair.
ジェームスに、先生にイスを持ってきてくれるよう伝えてください。Ask her not to be so loud.
彼女にそんなにうるさくしないでと伝えてください。

「let」「allow」を使うと「~させてください」という依頼になる

「let + 人名(人称代名詞)+ 動詞の原形」で、「~させてください」とお願いする文章になります。「let」の代わりに「allow」を使う場合は、人名と動詞原形の間に「to」が追加で必要です。

また、letよりallowの方がフォーマルな言い方になります。ビジネスの場面や、目上の人に許可をもらう時に使える表現です。その場合には、文頭に「please」をつけるとより自然で丁寧な言い方になります。

Let me cook dinner for you.
私に(あなたのために)夕飯を作らせてください。Let me see.
ちょっと見せて。Allow him to take a vacation.
彼に休暇を取らせてあげてください。Please allow me to marry her.
彼女と結婚させてください。(結婚を許可してください。)

「Let's」で始めると「~しましょう」という命令になる

日本語でもおなじみになっている「レッツゴー(Let’s go!)」という言葉も、実は英語では命令形なんです。「Let’s」で始める命令形は、「~しましょう」という提案のニュアンスになります。

Let’s go to the beach.
ビーチに行きませんか。Let’s grab something to eat.
なにか食べに行きましょう。Let’s play together.
一緒に遊びましょう。

英語の命令形まとめ

英語の命令形の基本について、例文を交えて解説しました。英語で命令形を作る際のポイントは、「主語を省いて動詞を原形にする」ということです。命令の表現を強調するために、あえて主語を入れることもあります。

英語の命令文は日本語の命令文と比べて、かなり幅広い使われ方をされます。特に、日常会話では気軽なお願いをする時に命令形が使われることが多く、命令形と気がつかずに使っていることも多いかもしれません。

ただし、目上の人と話す時やビジネスの場では、失礼にならないよう、「please」や「would you」「could you」などを付け加えて話すようにしましょう。

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