みなさんは、英文を読むとき一番始めにどこを見ますか?ほとんどの方は、主語だとお答えになると思います。文頭にありますし、「誰の」「何の」話なのかというのを掴んでおくことで、そのあとの文章が入ってきやすいからです。

ところが、英語の主語に特化して勉強したことがある方は少ないのではないでしょうか。次々に形が変化する動詞や、副詞・形容詞といった紛らわしい文法には集中して取り組むものの、英語の主語の役割や重要性に気づいていない方はとても多いです。

今回の記事では、英語の主語について詳しく、わかりやすく解説します。英文法での主語の役割や種類、忘れがちな知識などをもう一度振り返ってみましょう。

主語は、文章の中心となるもの

主語とは何か?と真剣に考えたことはあまりないかもしれません。まずは私たちにとってなじみ深い日本語の文章から、主語とは何かを再確認してみましょう。

私は毎日テニスをします。

当たり前ですが、毎日テニスをするのは「私」であり、この文章では話し手の「私」が主人公であることがわかります。それでは、英語の場合だとどうでしょうか。

I play tennis every day.
私は毎日テニスをします。

こちらの場合、play tennis every day(毎日テニスをする)の動作はI(私)がしますから、話し手の「私」が主人公であることが分かりますね。このように、その文章の主人公を指す部分のことを、主語と呼びます。

さて、英語には文型と呼ばれる基本的な文章の形があることは、学校でも習った記憶があるかもしれません。英語は基本的に、5つの文型に単語を当てはめていくことで作文していきます。5文型を言い表す際に使われる記号に「S・V・O・C」がありますが、それぞれおさらいしておくと以下のようになります。

  • S:主語 「誰(何)が」
  • V:動詞 「どうする」
  • O:目的語 「何を」
  • C:補語 「どのように」「どんなだ」

そして、上記の「S・V・O・C」を使った英語の5文型とは以下のとおりです。

  • 第1文型:SV  例)I run every day.(私は毎日走ります。)
  • 第2文型:SVC  例)I am tall.(私は背が高いです。)
  • 第3文型:SVO  例)I play tennis.(私はテニスをします。)
  • 第4文型:SVOO  例)He gave me a present.(彼は私にプレゼントをくれた。)
  • 第5文型:SVOC  例)He makes me happy.(彼は私を幸せにする。)

このように、5文型すべてに主語Sが入っていることが分かりますね。第1~3文型ではI(私)、第4・5文型ではhe(彼)が主語Sになっています。主語は、その文章の主人公、中心を担うパーツなのです。

つづいて、主語になれる語句にはどんなものがあるか、見ていきましょう。人やモノなどみなさんが見慣れているもの以外でも、主語になれるものはたくさんあります。

① 名詞・代名詞

最も想像のつきやすいものですね。人やモノを表す名詞や、she/he/itなどの代名詞はどれも主語になれます。

John likes cooking.
ジョンは料理が好きです。

They play soccer every day.

彼らは毎日サッカーをしている。

② 動名詞(-ing)/to不定詞

動詞に「-ing」を付けて動名詞にしたり、「to+動詞の原形」でto不定詞にしたりすると、名詞としての役割を果たすようになります。動作を主語にして英文を作りたいときに便利な表現です。

Reading the book changed my life.(動名詞)
To read the book changed my life.(to 不定詞)
その本を読んで人生が変わった。

直訳すると、「その本を読むことが私の人生を変えた」となりますが、より自然な表現に書き換えたものが上記の訳です。

③ The+形容詞

the+形容詞」の形にすることで、「~な人」という意味にすることができ、こちらも主語に持ってくることができます。

The rich are happy.
お金持ちは幸せだ。

④ 文節が主語になることもある

That節(~なこと)やWhether節(~かどうか)、WH節(どうやって~なのか、なにを~なのか、どこで~なのか etc.)といった文節が主語になるケースもあります。

That he passed the exam is very wonderful.
彼がその試験にパスしたことは素晴らしい。
Whether you were there doesn’t matter.
君がそこにいたかどうかは問題じゃない。
How you tell it to him is the problem.
彼にそれをどうやって伝えるかが問題だ。

⑤ 前置詞句

前置詞を先頭につくられている前置詞句が主語になることもあります。

Inside of my bed is the happiest place in the world.
ベッドの中が世界一幸せな場所だ。

英語の主語は動詞の直前におかれるのが一般的

主語にはいろいろな種類があることがわかりましたね。したがって英文を見た時は、まず主語がどれなのかを確認する必要があります。英語の主語を見分けるのに一番手っ取り早い方法が、「動詞の直前を見る」ことです。ほとんどの場合、英語の主語は動詞の直前におかれます。

先ほどの5文型も全て「SV~」の形になっていましたよね。文によっては副詞が主語との間に挿入され、動詞を修飾することもありますが、それでも主語と動詞は常に近くにあります。英文においては、まずはSVのセットを確認することが、すばやく全体の理解をするための手段となります。

主語によって動詞の形が変化する!

主語が非常に重要である理由の一つとして、主語によって動詞の形が変化する、ということがあげられます。以下の例文を見てみてください。

I play tennis.
私はテニスをします。He plays tennis.
彼はテニスをします。

主語がhe(彼)になったとたん、動詞に「s」がつきましたね。この文法は「三人称単数現在形」と呼ばれ、このsは「三単現のS」という名称で呼ばれています。主語がI/We(一人称)やYou(二人称)の場合は付かず、第三者がいた場合やモノに対して使います。さらに、sをつけるのは単数(1つまたは1人)だったとき、そして現在形のみです。わかりやすく言うならば、「私でもあなたでもない、何か1つ・誰か1人が今どうしているのか」をあらわすときに使うのが三単現のsなのです。

さて、この三単現は、主語が単数であるというのも1つのポイントになるわけですが、意外とこの「単数」の判断に迷うケースがあります。he/sheといった単語ならわかりやすいですが、「A and B」や「A or B」といった複合主語(主語に2つ以上の単語が用いられ、andなどの接続詞で繋がれているもの)では少々複雑になります。

詳しく例を挙げて見ていきましょう。

Ken and Mike play tennis.
ケンとマイクはテニスをする。

こちらの例文だと、「ケンとマイク」という2人について話をしていますので、主語は複数扱いとなり、三単現の対象にはならず主語も「play」のままです。

Ken or Mike plays tennis.
ケンかマイクがテニスをする。

この場合は、「2人のうちどちらか1人」という意味になっていますので単数扱いとなり、三単現「plays」が適用されます。

ところで、以下のような文章だと動詞はどうなるでしょうか?

You or I going next week.
あなたか私が来週行く。

先ほど同様、どちらか一人なので単数ですが、この場合areなのかamなのか迷ってしまいますよね。

正解は「am」です!

このような場合は、直前にある名詞に合わせた動詞を使う、ということを頭に入れておきましょう。つまり、I or youの形になっていた場合、動詞の直前におかれる名詞youですので、動詞はareとなるわけです。

主語によって、これだけ動詞の形に変化が生じるわけですから、主語の見極めがいかに大切かがよく分かりますね。

英語では原則として主語を省略できない

英語の主語は、その文章の主人公であり中心を担うパーツです。したがって、主語を省略するというのは基本的にありえません。ところが、SNSやカジュアルなメッセージで使われる英文を中心に、例外として主語を省略するケースもあります。

主語を省略できる場合の例文

主語の省略は、会話文やメール文など限られたシーンでのみ行われます。実際の英文を見ながら確認してみましょう。

① 1人称の例文

Don’t know what I have to do.
何をすべきなのかわかりません。

先頭のIが省略されていると考えられる文章です。口語的に本人が話していれば、主語がIであることはわかりきっていることなので、省略するケースがあります。

② 2人称の例文

Having fun?
楽しんでる?

友人たちに呼びかけるときなどに使われるカジュアルなフレーズです。主語youのほか、動詞areも省略されています。この発言は、相手の肩をポンとたたいて輪の中に入っていくようなシチュエーションで用いられます。誰に向かって言っているかが明確にわかるため、主語を省略できるのです。

③ 3人称の例文

Where’s Mary?
メアリーはどこ?
–Went out for a date.
デートに行ったわ。

質問文でMaryという主語が明確になっていますので、回答では主語を省略できます。この場合は、本来ならばsheというべきところを省略されていますね。

主語の省略が可能なのは、すでに話の主人公が明確になっているときだけですので、覚えておきましょう!

文をスリム化できる「無生物主語」

さて、ここまでの例文は大半が人を主語に置いた文章をご紹介してまいりましたが、ここで人や生き物以外の主語、「無生物主語」についても少し触れてみたいと思います。

If you walk for ten minutes, you will get to the museum.
10分歩けば、博物館に着くよ。

こちらは主語が人(you)になっている文章ですね。これを無生物主語の文章に変えると以下のようになります。

Ten minutes’ walk will take you to the museum.

「10分歩く」という述部だったものを主語におきかえています。これが無生物主語です。無生物主語をおく最大のメリットは、文章をスリム化できることです。上の例からも、無生物主語におきかえたことで文章がすっきりしたのがわかると思います。

それでは、もう一つ例文を見てみましょう。

Why did you come to Japan?
なぜ日本に来たの?

この文章の主語はyouですが、少し言葉が直接的過ぎて受け手に「来ちゃ悪いの!?」と思わせてしまうリスクがあります。

では、以下の例文はいかがでしょうか?

What brought you to Japan?

直訳すると「何があなたを日本に連れてきたの?」という意味になり、日本に来たきっかけ・理由をマイルドに聞くことができます。「あなたを日本に連れてきたもの(きっかけ)」が主語になっているため、これも無生物主語なのです。

このように、人の感情を介さない客観的な文章にすることができるのも、無生物主語の特徴です。

主語を短くできる「形式主語(仮主語)のit」

最後にもう一つ、ぜひ使いこなしていただきたい主語の用法「形式主語(仮主語)」について触れてみたいと思います。

To be interested in your boyfriend's past is natural.
It is natural to be interested in your boyfriend's past.

いずれの文章も、「彼氏の過去に興味を持つのは自然なことだ」という文章ですが、1つ目の例文は文章のほとんどが主語になっていて、少々頭でっかちな文章になっていることが分かると思います。ここで、形式主語である「it」が役立つのです!

it」を使って、細かな説明を後ろに持ってくることで、文章がスッキリと見やすくなります。英語では主語をなるべく短くすることが好まれます。話し言葉の場合も、形式主語itを積極的に使うと相手に内容が伝わりやすいです。

形式主語を使うパターンには以下のようなものがあります。

  • It is~ to do/動名詞 (・・・することは~である。)
  • It is~ that SV (SがVすることは~である。)
  • It is ~whether (・・・かどうかは~である。)
  • It is ~疑問詞 (なぜ/いつ/どこでetc・・・なのかは~である。)

4パターンはいずれも常用表現ですので、単語をあてはめて英作文の練習をしてみましょう。

英語における主語の重要性まとめ

英語における主語の重要性やその使い方、主語に工夫を入れて文をスリム化する方法について解説してきました。単純なものと思われがちな主語ですが、あらためて見直してみると、さまざまなポイントがあることに気づきますね。

今回の内容をぜひ参考にして、英語の主語を使いこなせるようになっていただければ幸いです!

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