
2016年から英検2級にも英作文が出題されるようになりました。英作文というと「何を書いて良いのかわからない」「どう書き始めていいのか悩む」など、とても難しいように感じますよね。
でも、英検2級の英作文には決まった型があり、それに沿って書くことで悩まずにスラスラと解答することができるようになります。
この記事では、英検2級の英作文の攻略方法を解説します。
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英検2級は英作文(ライティング)が1問のみ出題される
英検は、2016年にアップデートされ、第1回(2016年6月12日)から1級と準1級、2級にも英作文(ライティング)が追加されました。
このアップデートは、文部省が予定している2020年の学習指導要領、および大学入試改革に関連するもので、英語学習にもっと力を入れて4技能(「聞く(listening)」「読む(reading)」「話す(speaking)」「書く(writing)」という4つのスキル)をバランス良く高いレベルに育てようという試みから来ているものです。
さらに、2017年度からは英検準2級と3級にも英作文の問題が追加されました。
英検2級の英作文は、出題数はわずか1問ですが、筆記試験に合格するためにはこの英作文で一定以上の点数を取る必要があります。
英検2級の英作文の出題形式は、TOPICが与えられ、それに対して自分の意見と理由を80~100語で答えるというものになっています。社会問題や流行などに関する問題が出題され、それについて自分の意見を英語で述べることができるかが試されるのです。
2018年度の過去問をみてみよう!
では、早速過去に出題された問題を見てみましょう。こちらは2018年の第3回で出題された問題です。
- 以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
- POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
- 語数の目安は80語~100語です。
- 解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
- 解答がTOPICに示された問いの答えになっていない場合や、TOPICからずれていると判断された場合は、0点と採点されることがあります。TOPICの内容をよく読んでから答えてください。
TOPIC
Some people say playing sports helps children become better people. Do you agree with this opinion?POINTS
- Health
- Personal interest
- Teamwork
出典:英検 2級の過去問・対策
「スポーツは子どもがより良い人になるのを助けるという人がいますが、この意見に同意しますか?」という問題です。「POINTS」に提示されている3つのキーワードを参考に解答します。
日本語でも答えるのに時間がかかりそうな問題で、難しいと思われたのではないでしょうか。
でも、このように自分の意見を述べるタイプの英作文には決まった解答の形があります。ポイントを押さえれば誰でも書きやすくなります。
次の章で詳しく説明します。
英作文にかけられる時間は15~20分
英作文問題は、15~20分で回答ができるようにしましょう。
英検2級の試験時間がリーディングとライティングで85分、リスニングは25分です。英作文問題が追加される前の試験時間がリーディングとライティングで65分でしたので、英作文問題に20分が加算されていることになります。
ライティングは得点源にできる!英検2級 英作文の書き方
英検の英作文には、テンプレートとなる型があるため、基本的な流れを習得すれば得点源にできます。ポイントとしては、結論先行で書くこと、POINTSの単語を使用すること、頻出表現を利用することの3つとなります。
それでは、3つのポイントについて詳しくご説明していきます。
結論先行の3段階構成でライティング!
英作文でも、英会話でも、英語はまず結論を述べることが重要です。英作文の解答の形は、結論(Yes/Noや自分の意見を端的に)→根拠→もう一度結論の3段階という形が基本です。
①主張(結論) 15~20語
TOPICに関する自分の意見(賛成か反対か)を述べます。この部分は短く、一文程度で主張を端的に伝えます。
②根拠(理由) 50~60語
自分の主張に関する理由を述べます。まずは一文程度で理由を端的に述べた後、それを補強する事実などを述べます。
この根拠の部分は理由を2つ挙げて、全体の3分の2以上を占めるようにしましょう。
③再主張 15~20語
冒頭の自分の意見を再度述べます。「以上の理由から、私は~だと思います。」というような文章で締めくくります。
前の章で例に挙げた2018年の過去問の解答例を、この3段階構成に当てはめて見てみましょう。
①主張(20語)
スポーツは子どもたちをより良い人にするのを助けるという意見に同意します。そう感じるのには、2つの理由があります。
②根拠1(31語)
This is because they will learn the importance of working well with others.
まず、多くのスポーツは子どもたちに将来役立つチームワークを教えます。これは、他人との人間関係を学ぶのに役立ちます。
根拠2(24語)
さらに、スポーツは子どもたちに健全なライフスタイルを奨励します。たとえば、子どもの頃スポーツをしていた人は、大人になってもエクササイズを続ける人が多いです。
③再主張(17語)
結論として、以上のことから、私はスポーツによって子どもたちはより良い人になると思います。
英作文のポイントは、以下の3つです。
- 自分の意見(YesかNo)を決めて、明確に主張すること
- 主張の理由を具体的に述べること
- 再主張は最初の結論と同じことを主張するが、違う表現を使うこと
POINTSの単語は使ったほうが良い
試験では、焦ってしまい考えがまとまらなかったり知っているはずの単語が出てこなかったりということが起こります。そのため、自分の表現を色々と考えるよりもPOINTSに提示されている単語を使って理由を考えるのもひとつの手です。
POINTSの単語は、TOPICの内容とズレを生まないためにも使った方が良いでしょう。
英作文での頻出表現も豊富にもっておこう
英検2級の英作文には、テンプレートと呼べるような型があります。難しい単語を使う必要はないので、良く使われる表現を豊富に知っておくのが英作文を制するコツです。以下に英作文での頻出表現を紹介します。
<自分の意見を主張する表現>
私は~だと思います。I do not think ~.
私は~とは思いません。In my opinion ~.
私の意見では~。I believe ~.
私は~と信じます(と思います)。I agree/disagree with the opinion that~.
私はその意見に賛成/反対です。
Some people say that ~, but I do not think so.
~と言う人もいますが、私はそうは思いません。
<理由を挙げる表現>
第一に、はじめに、Second, (Secondly)
第二に、Next,
次に、One reason is,
1つの理由は、
<具体例を挙げる表現>
For instance,
such as ~
上記はいずれも「たとえば」の表現です。In my experience,
私の経験では
<結論を再主張する表現>
結論として、For these reasons,
これらの理由で、For these reasons,
以上の理由から、Therefor,
ですから、As a result,
結果として、
英検2級 英作文の書き方をおさえた例題
英検2級の英作文を、2018年第2回試験から解説します。
<出題>
- 以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
- POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
- 語数の目安は80語~100語です。
- 解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
- 解答がTOPICに示された問いの答えになっていない場合や、TOPICからずれていると判断された場合は、0点と採点されることがあります。TOPICの内容をよく読んでから答えてください。
TOPIC
Today, some people buy products that are good for the environment. Do you think buying such procuts will become more common in the future?POINTS
- Changing lifestyle
- Cost
- Technology
<解答例>
「今日、環境に良い製品を購入する人がいます。今後、こういった製品を購入する人は増えると思いますか?」という問題に対する解答例です。
①主張
I believe that more and more people will start buying products that are good for the environment.
私は、もっと多くの人が環境に良い製品を購入するようになると思います。②根拠1
First, these days, global warming has become a big problem. People want to do something, and they know that one way to help is to purchase these products in stores.
第一に、昨今は地球温暖化が大きな問題となっています。人々はそれに対して何かしたいと思っており、環境に良い製品を購入することはひとつの解決策となるからです。根拠2
Second, many products that are good for the environment are becoming cheaper. Therefore, it has become easier for people to afford such products.
第2に、環境に良い製品は段々安くなってきています。そのため、人々がそういった製品を購入しやすくなっています。③再主張
In closing, it is because of these two reasons that I think it will become more common for people to buy products that are good for the environment.
最後に、以上の2つの理由から、私は人々が環境に良い製品を購入するのはより普通のことになると思います。出典:英検 2級の過去問・対策
英検2級の英作文(ライティング)まとめ
英検2級の英作文は、結論(Yes/Noや自分の意見を端的に)→根拠→もう一度結論の3段階の形に沿って文章を組み立てていけば、それほど難しいものではありません。
しかし、約20分という時間を有効に使えるようにするには、型に沿った英作文の練習を何度もする必要があります。普段から単語や熟語の知識を増やしながら、ライティングの経験を積み重ねましょう。