
英検2級にチャレンジしようとしている皆さんにとって、一番不安なのは面接試験なのではないでしょうか?
日本では学校のテストでも英語の面接を実施することは一般的ではないため、英検を通して初めて英語で会話することになる方も大勢いらっしゃいます。
そこで今回は、英検2級の面接を控えて緊張している皆さんに、面接試験の攻略方法と使えるフレーズをご紹介します!
Contents
英検2級の二次試験!当日の流れや、問題形式
それではまず、英検2級の面接試験当日の流れと問題形式を見ていきましょう!1度イメージトレーニングしてみると、何を対策すべきかが見えてきます。
試験の時間はあっという間!7分程度で終わる
多くの人が緊張してしまう英検の面接試験ですが、実は時間にして7分程度の短い試験です。
まずは、7分間の流れを知っておきましょう。
- 入室
- 面接カードを渡す~自分の情報が書いてある面接カードを面接官に渡します。
- 着席
- 氏名・級の確認とあいさつ
- 問題カードを受け取る
- No.1:パッセージの黙読~20秒与えられて、まずは黙読します。
- No.1:パッセージの音読~時間制限はありません。
- No.1:パッセージについての質問
- No.2の考慮時間~20秒イラストをじっと見て、状況説明の準備をします。
- No.2イラストの説明
- 問題カードを裏返す
- No.3,4:受験者自身の意見を問う問題
- テスト終了、問題カード回収
- 退室
英検2級の面接では、社会性のある話題が出題される
面接試験における、英検準2級と2級の違いは、文章が50語から60語に長くなることと、文章の内容が「日常的な話題」から「社会性のある話題」に変わることです。過去の出題例には、以下のような内容がありました。
現代の親は子供たちに自由を与えすぎだという意見がありますが、あなたはどう思いますか?Today, many people buy secondhand goods such as used books and used clothing. Do you think more people will buy secondhand goods in the future?
今日、古本や古着などの中古品を買う人も多いです。将来はより多くの人が中古品を買うようになるでしょうか?
このように、誰でも答えやすい内容でありながら、社会性に富んだ質問になっています。
質問数は全部で5つ。音読、アティチュードの評価と合わせて33点満点!
面接では5つの質問が行われ、音読の精度とアティチュードの評価も総合的に勘案したうえで、33点満点で採点されます。
英検は最終的に合格・不合格で結果がでますが、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの四技能についてそれぞれ独自の方法でスコア化したCSEスコアという基準が採用されています。
面接の結果もこのスコアに反映され、筆記試験の結果と合わせて合否が判断されます。なお、英検2級の合格率は6割程度となっています。
「落ちる人」にならないために!英検2級の面接4つのコツ
英検2級の合格率は6割ですが、裏を返せば半分弱の受験者が不合格になってしまうということですね。
「落ちる人」にならないために、知っておくと便利な、英検2級面接試験のコツをご紹介してみたいと思います。
音読は丁寧に、正しく読む
No.1の音読は、時間制限がありませんので慌てて読む必要はありません。読むスピードよりも、はっきり読むことを心がけましょう。
また、発音が分からない単語がある場合も、そこで詰まってしまったり飛ばしてしまったりすることなく、「こうかな?」と思う発音でそれっぽく読み上げるようにします。
自分の意見を述べる問題では、考えをはっきりさせる
自分の主張を回りくどく発言することが多い日本語とは違い、とにかくまずは自分の立場をはっきりさせるのが欧米式です。賛成なのか反対なのか、YesなのかNoなのかをまず1文目で宣言しましょう。
回答は2文に分けて行うのが理想で、2文目では自分の考えを裏付ける理由を述べるようにします。意見の内容が重視されるわけではありませんので、自分の考えを正確に伝えることよりも、英語に訳しやすい文章にすることを優先して答えを考えましょう。
指示語に注意しよう
面接官からの質問で、問題カードの中の文章を引用して答えることもあるでしょう。このとき、気を付けなければならないのが、this,these,suchなどの指示語です。これらはあくまでも文章の中で既に述べられている言葉が指示語に置き換えられているだけですので、その部分だけ抜き出すときには内容をきちんと説明しなければなりません。
指示語の内容となる単語は大体1文前に出てきますので、きちんと元の単語に置き換えて解答するようにしましょう。
アティチュード(態度・姿勢)にも気を付ける
先ほどもご説明した通り、英検の面接試験ではアティチュードも得点として評価されます。分からなくても一生懸命何か伝えようとする姿勢が見えることで加点してもらえることもありますから、面接官の目を見て大きな声で応答するように心がけましょう。
また、言葉に詰まってしまったときは、黙り込んでしまうのではなく「Well…(ええと…)」といった言葉でつなぐと好印象です。
英検2級面接で使えるフレーズ26選!
それでは、入室するところから順に、英検2級二次試験の流れに沿って、面接で使えるフレーズをご紹介してまいりましょう。
英検受験者側の皆さんが使うフレーズのほか、面接官がよく使うフレーズについてもご紹介してまいりますので、試験本番でしっかりと聞き取れるように予習しておきましょう。
- 入室
こんにちは。
→日本のように「失礼します」といった言葉は必要ありません。「面接官に対して「ハロー」でいいの?」と思うかもしれませんが、相手の年齢やシーンを問わず使える最初のあいさつですので元気よく声を出しましょう。
- 面接カードを渡す
面接カードをいただけますか?
→試験官のセリフです。初めから「は?」となってしまわないよう気を付けましょう。
どうぞ。
→中学校で習った記憶があるかもしれませんね。「はい、どうぞ。」と物を手渡しながら使う決まり文句です。黙ってカードを差し出すよりも丁寧な印象を与えることができます。
- 着席
どうぞおかけください。
→日本の面接と同じように、相手に促されてから座るようにしましょう。これに対しては、「Thank you.(ありがとうございます)」と答えて着席します。
- 氏名・級の確認とあいさつ
お名前を教えていただけますか?
→聞き慣れた「What’s your name?」はカジュアルな表現なので、面接では使われません。こちらのフレーズを覚えておくようにしましょう。
私の名前は〇〇です。
→こちらも基本的なフレーズですね。「I’m 〇〇.」でも名前を伝えることはできますが、「My name is…」の方が丁寧ですのでこちらを使いましょう。
これは2級のテストです。よろしいですね?
→受験級が間違いないかの確認です。「OK.」と返事をしましょう。
調子はいかがですか?
→欧米では決まり文句です。本当に体調を確認しているわけではないので、円滑に先に進んでいけるよう「I’m fine.(元気です。)」などと無難に答えておきましょう。
- 問題カードを受け取る
それではテストを始めましょう。This is your card.
こちらがあなたのカードです。
→試験官の合図で試験開始です。問題カードを差し出されたら「Thank you.(ありがとうございます)」と言って受け取りましょう。
- パッセージの黙読
20秒でパッセージを黙読してください。
→silently(静かに)という単語が入ってますから、「黙読」という意味になります。きちんと指示を理解したことを示すために、ここでも「OK.」や「All right.(分かりました。)」などと返事をしましょう。
- パッセージの音読
では、パッセージを音読してください。
→「aloud(声に出して)」とありますから、「音読」という意味になります。
- パッセージについての質問
英語では疑問詞が文頭に来ますから、始めから聞き逃さないように気を付けなければ、何を聞かれたかが分からなくなってしまいます。よく尋ねられるのは以下の2つです。答え方と合わせてチェックしておきましょう。
How~?(どうやって~?)→By -ing…(~して(~することによって))
Why~?(なぜ~?)→Because~.(なぜならば~)
- No.2の考慮時間
それでは、イラストを見て状況を説明してください。You have 20 seconds to prepare.
準備する時間は20秒です。
Your story should begin with the sentence on the card.
説明はカードに書いてある1文から始めなくてはなりません。
→緊張していると落ち着いて聞き取れないでしょうから、どんな問題で何を要求されているか事前に頭に入れておきましょう。
- イラストの説明
さて、いよいよイラストの説明をしていきます。問題によって本当にさまざまなので一概に使えるフレーズというのはありませんが、背伸びせず簡単なフレーズで伝えるよう心がけましょう。
例えば、「AがBに・・・と言った。」と言いたいときは、本来「A told B that…」といった文章が定番ですが、これも無理に使う必要はありません。
AがBに言いました。「・・・」と。
といった文章でも十分に伝わります。
- 問題カードを裏返す
カードを裏返して置いてください。
→いつまでもカードを見ていると「指示が伝わらなかったのかな?」と思われてしまいますから、速やかに従いましょう。
- 受験者自身の意見を問う問題
No.3とNo.4はそれぞれ受検者自身の意見を聞く問題となっています。答えるときに使えるフレーズをいくつかご紹介しておきましょう。
I agree.(私は賛成です。) / I disagree.(私は反対です。)
→自分の主張を回りくどく発言することが多い日本語とは違い、とにかくまずは自分の立場をはっきりさせるのが欧米式です。
We should~.(私たちは~すべきです。) / We shouldn’t~.(私たちは~しないべきです。)
→社会問題について問われたときに使いやすいフレーズです。
I think that~.(私は~と思います。) / I don’t think that~.(私は~とは思いません。)
- テスト終了、問題カード回収
これでテストは終わりです。Could I have the card back, please?
カードを返していただけますか?
→面接開始のときと同じように、「Here you are.(どうぞ。)」と言いながら返しましょう。
- 退室
退室していただいて結構です。Have a nice day.
よい1日を。
→別れ際に「Have a nice day.」と言うのも欧米独特の文化ですね。最後の最後で「Yes.(はい。)」などとぶっきらぼうに答えてしまわないように、「You too.(あなたもよい1日を。)」と返せるくらいの気持ちの余裕があるといいですね。「Thank you. Goodbye.(ありがとうございます。さようなら。)」というのも後味が良く好印象です。
英検2級の二次試験では事前の対策も大切
英検の二次試験は面接なので対策のしようがないように感じるかもしれませんが、事前の対策でつかめることはたくさんあります。ここでは、英検2級の二次試験の事前対策について述べたいと思います。
過去問を活用し、傾向をつかむ
英検対策で一番効果的なのは、やはり過去問を解いてみることです。早めにチャレンジしてリアルな本番のレベルを体感して、どこをどのくらい勉強しなければならないのか見極めましょう。
特におすすめしたいのは以下の2冊です。
1. 英検2級 過去6回全問題集(旺文社)
無料アプリをダウンロードすることで、スマホで音声を聞くことができるため、移動中にも英検のリスニング練習ができてとても便利です。
また、web特典で「面接シミュレーション」を視聴することもでき、二次試験のイメージトレーニングもばっちりです。
2. 英検2級 過去問題集 新試験対応版(学研英検シリーズ)
英検2級の過去問5回分のほか、出題傾向を分析して作られた「合格力チェックテスト」も収録されており、実力を正確に把握することができます。
ライティングや面接対策のページも充実しており、英検2級の試験本番を意識しながらバランスよく学ぶことができるでしょう。
実際に声を出して答える練習をしよう
英検の二次試験対策では、面接独特の緊張感の中で、相手と適切なアイコンタクトを取りながら会話する練習がとても大切です。これは日本語でも英語でもあまり変わりませんので、アルバイトや就職の面接を思い浮かべていただければ分かりやすいかと思います。
家族や友達に協力してもらって試験官役を演じてもらったり、場合によってはぬいぐるみに向かって話したりしながら、自然なアイコンタクトと応答の練習をしておきましょう。
英作文と面接には共通点がある
英検の筆記試験で出題される「英作文」と、面接試験で出題される「自分の意見が問われる問題」には、社会性のある話題が含まれていることが多く、共通点があります。ただし、英作文の問題の方が、じっくり考える時間がある分高度な内容になっていますので、こちらで面接の対策も合わせて行っておくと効率的です。具体的には、できあがった英作文を声に出して読んだり、暗唱したりするといいでしょう。
まとめ
英検2級の面接の攻略方法と、使えるフレーズについてご紹介してまいりました。面接試験対策は、実際に日常英会話ができるようになるためにも非常に効果的です。7分間だからと甘く見ることなく、事前にしっかりと準備して臨んでみてくださいね!