シアトル・マリナーズのイチロー選手が、2019年3月21日の東京ドームでのMLB開幕戦をもって引退されました。感動的なラストゲーム、そして最後まで「イチロー節」全開の引退会見が印象深かったですよね。

ところで、引退に伴う会見は終始通訳を介して行われましたが、「イチロー選手って英語が話せるの?」という疑問を持った人もいるかもしれません。では、実際にイチロー選手が英語を話しているシーンをレビューしながら、その真相に迫っていきましょう。

東京ドームでのメジャー開幕戦をもって引退したイチロー

イチロー選手は日本を代表する、まさに野球界のスタープレイヤーでした。1991年にオリックスでプロデビューを果たし、2001年からマリナーズでメジャーリーガーとして活躍をスタートさせました。

イチロー選手の輝かしい記録は数知れず、メジャー10シーズン連続200本安打達成(年間最多安打262本)、2653試合に出場し、通算打率は.311をマーク。安打数は日米累計では4,367本で、世界記録となっています。

シアトル・タイムズ紙でも惜別の広告が掲載された

マリナーズの本拠地シアトルの地方新聞「シアトル・タイムズ」では、イチロー選手の引退を記念して、惜別の広告が出されました。

ichiro

https://www.seattletimes.com/sports/mariners/thank-you-ichiro-dee-gordon-takes-out-full-page-ad-in-the-seattle-times-dedicated-to-ichiro/

今回はイチロー選手本人からではなく、同じマリナーズの若手、ディー・ゴードン(Dee Gordon)選手からイチロー選手への感謝の意を示す新聞広告でした。引退や移籍をする本人が広告を出すことはよくありますが、本人以外が出すのは極めて異例なことです。

米国のスポーツメディア「The Seattle Times(シアトルタイムス)」にて、広告の全文を見ることができます(一部抜粋)。

”First of all, I want to say thank you for being a great friend to me and being my favorite player to this day.”
「何よりもまず、私の素晴らしい友達であり、今でも私の大好きな選手でいてくれることに感謝します。」

”People don't know how much you've helped me over these last five years, Ichi. We both know I’ve had good times, bad times, ups and downs, but your friendship has never wavered once. You always stuck by my side through anything, and always had my back. If I was wronged, you would stick up for me every time, even if it hurt you getting on the field.”
「この5年、あなたがどれほど私のことを助けてくれたか、私が一番よく知っています、イチ。楽しいことやつらいこと、いいことも悪いこともありましたが、友情が揺らぐことはありませんでした。あなたはどんな時でも私のそばにいてくれ、そして支えてくれました。わたしが不当な扱いを受けた時には、自分のことは二の次にしていつも私のことを助けてくれました。」

“Love you, bro! You’re a part of my life forever. I hope you enjoy retirement. You better come hit with me on off-days because I’m definitely gonna miss that — and miss having you around to lean on.”
「愛してるぜ、親友!あなたはいつまでも私の人生の一部です。引退後も楽しんでくれることを願っています。絶対寂しくなってしまうので、オフの日には私と一緒に打撃トレーニングをしましょうね。もう側にいれなくなってしまうからね。」

イチローが愛される大きな理由の一つに、英語力がある

イチロー選手が日米でスタープレイヤーになれた理由は、走攻守三拍子そろった天才的なプレーセンスがあったからです。しかし、それに加えてコミュニケーションの力による寄与も大きかったことを忘れてはけません。

例えば、普段のチーム内でのイチロー選手は、チームメイト同士英語で冗談を言い合ったりするなど、フランクな英語のコミュニケーションをとっていたといいます。現地でここまで人気を博することができた理由の一つとして、コミュニケーション能力、語学力があることは間違いなさそうです。

イチローの英語力はどれくらいのレベル?

日本で報道されるニュースは主に日本人記者によるインタビューなので、イチロー選手自身が英語で何かを話しているシーンを見ることはあまりありません。彼が本当に英語を喋れるのか、下手なのではないかと気になる人も多いと思いますので、実際のところはどうなのか確認してみましょう。

インタビューでは通訳を介すが、記者の英語はしっかりと理解している

イチロー選手の引退会見は、英語ネイティブの通訳者を介する形で行われました。基本的には通訳からの説明を聞いているものの、記者自身の英語の発言の意図を汲み取ろうとするイチロー選手の姿勢は終始読みとれます。

動画内の4分18秒からのやり取りで、ジョークを受けて記者一同が笑うシーンがありますが、イチロー選手もきちんとツボを理解して笑っています。また、5分17秒からの「オリンピックには出場しますか?」という質問には、通訳を介さずにイチロー選手がダイレクトに答えています。

通訳を介することなく英語でインタビューの受け答えをすることも可能と考えられますが、正確さ重視でこのような形になったのでしょう。実際に彼がどのような英語を話すのかについては、以下のセクションでお話しします。

イチローが英語を話している動画を紹介

イチロー選手が英語を話す動画はYouTubeでいくつか視聴できます。彼の英語力を垣間見られる動画を見てみましょう。

こちらの動画は、2010年のシアトル・マリナーズのテレビCMとそのメイキング映像をまとめた動画です。30秒バージョンのCMにはイチロー選手も出演しており、その英語力を垣間見ることができます。「I agree.」や「Me too.」など、シンプルな英語ながらナチュラルな対話として成立しています。

こちらの動画は、イチロー選手の2016年度ルー・ゲーリック賞の受賞スピーチです。スピーチの冒頭で彼が自己紹介をした後、こんなことを言っています。

”You might be expecting a speech. But, like home runs, speeches in English are not my game.”
「スピーチを期待していると思いますが、ホームランと同じで、英語のスピーチは得意分野ではありません。」

イチロー選手の得意分野はホームランではなくヒットを量産することですよね。それと掛けて、英語のスピーチも得意分野ではないとジョーク交じりに言っています。会場もイチロー選手のジョークに大ウケみたいですね。

likeのアクセントに「r」の音が混じっており、日本語訛りの英語ではありますが、内容はクオリティの高い英語になっていることが分かります。ネイティブレベルとまではいかないものの、日本人スピーカーとしては十分なレベルです。

イチローの英語力は早い段階から上級レベルに達していた

10年以上前の動画でも難なく英語で受け答えできており、イチロー選手の英語力は早い段階から成熟していたと考えられます。

イチロー選手がメジャーに移籍した年は2001年です。それから数年でそれなりのレベルに到達したということは、本人自身の努力や、チームメイト同士のコミュニケーションによる相当なスキルアップがあったのでは、と考えられます。

イチローの英語力も日々の会話で磨かれた

イチロー選手の英語力はテキストベースの学習というよりはむしろ、現地でのコミュニケーションベースで培われたものであると容易に想像できます。

教科書や参考書での学習を否定するわけではありませんが、英語を話す環境に長年身を置いて英語力を伸ばすというやり方は、やはり有効であるということをイチロー選手が実証しています。私たちも、イチロー選手のように実践を通して英語力を向上させたいものですね。

イチローの英語力まとめ

イチロー選手の引退会見など、さまざまな動画から分析すると、彼の英語力はかなりのものであることが理解できます。

また、マリナーズ時代のテレビCMや対談動画などから、彼の英語力は10年前、あるいはそれ以前からすでに完成していたと考えられます。イチロー選手の英語力は、現地でのコミュニケーションの賜物であり、私たちもイチロー選手の英語学習スタイルから学ぶべきことは多いと思われます。

とにかく、イチロー選手、お疲れ様でした!

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