いま、中学校・高校の英語教師の英語力が問題視されていることを知っていますか?これからますます加速することが予想される社会のグローバル化。これからの社会を担う人材を育てる英語教師には、高い英語力が求められます。

しかし、日本の学校においては、国の求める英語力基準を満たす教師の割合は決して高くないのが現状です。この記事では、日本の教育現場が抱える、英語力不足の問題に焦点を当てて、英語教師の資質として求められる英語力について解説していきます。

中学校・高校における英語教師の現状

近年では日本国内においても、英語スキルの需要は高まるばかりです。次世代の人材に求められる英語力は、今のレベルとは比べ物にならないほど高くなっていくでしょう。しかし、そんな次世代の人材を指している中学・高校の英語教師が、実は英語力が十分でないまま教鞭をとっている事実が明らかになったのです。

CEFR B2レベル以上に達している中学・高校英語教師は少ない

文部科学省は、中学校で50%、高校で70%の英語教師にCEFR B2レベル以上の英語力があることが望ましいとしています。CEFR(セファール)とは、外国語としての英語の習得度を測る指標で、B2レベルの人には以下のような英語スキルがあるとされています。

「自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。」
- ブリティッシュカウンシル https://www.britishcouncil.jp/sites/default/files/ees-cefr-jp.pdf

英語の資格試験では、英検準1級、TOEIC730点、TOEFL iBT8.0相当がCEFR B2レベルとなります。平成29年度の調査によれば、調査時点でCEFR B2レベルに達していた英語教師の割合は、中学校で33.6%、高校で65.4%という結果でした。ちなみに前年度に比べると、中学校が1.6ポイント、高校が3.2ポイントの改善がみられていますが、目標値である中学校50%、高校70%という割合には全く届いていません。

英語教師も間違った勉強法をしている!

英語教育の現場ですら英語力が不足している現状に至った主な理由としては、英語教師自身も、これまで正しい英語学習をしてきていないという点があげられます。間違った勉強法で取り組んでしまうと、たとえ多くの時間をかけたとしても正しい英語は身につきません。

ネイティブとコミュニケーションをとる機会が少ない

英語教師自身も、これまで英語のネイティブスピーカーと接する機会がほとんどないまま生活してきた人が多いようです。英語は机の上での学習だけでは伸びません。言語であり、コミュニケーションの手段ですから、実際に使って伸ばしていく必要があります。

特に、会話で使われるフレーズや正しい発音は、会話の中でしかなかなか獲得できません。ネイティブスピーカーとの関りがないまま机上での勉強に終始してしまった結果、英語教師になってからも生徒に正しい発音を教えることができず、授業も日本語で進行してしまいがちになるのです。

文法や読解にこだわりすぎている

文法や読解など、机上の英語学習に注力するあまり、他の人と英語でコミュニケーションが取れないまま時間だけが過ぎていく、というスパイラルに陥っている英語学習者は非常に多いです。それが英語教師だった場合、自分の英語力が伸びないだけではすみません。授業でも込み入った文法の解説などに終始してしまい、生徒にも間違った学習法を植えつけ、英語力向上の機会を奪ってしまうことになりかねません。

これからの英語教師にはより高い英語力が求められる

グローバル化は止まることなく進んでいきます。これからの日本社会においては、英語力がより高いレベルで求められるようになることは間違いありません。そのため、教育現場においても英語力・英語指導力の向上が急務です。

日本人教員だけでなく、英語のネイティブスピーカーから、ALT(Assistant Language Teacher)を採用する学校も年々増えています。また、英検1級・TOEIC950点以上など、外部の語学試験で優秀な成績を収めた人に対しては、教員採用試験の一部を免除する自治体も多くなってきました。

2020年からは、小学校での英語教育が必修化します。英語の基礎学習は小学校で行われるようになるため、中学校・高校の英語教育に求められるレベルはさらに上がります。日本全体の英語力の底上げのため、今後は英語教師にはより高いレベルの英語力が求められていくことは確実です。

教師の総合的な英語力は英語指導力に直結しない

教師の英語力に関して、しばしば「本人の英語力と指導力は別物」という論がなされます。実際、現行の教育制度では、CEFR B2未満の英語力だったとしても、英語を教えることができます。英検の場合は2級が「高校卒業レベル」とされていますから、CEFR B2未満でもなくとも中学英語であれば問題なく教えることができるということになるのです。

学校での英語教育は生徒の今後の英語学習の基礎となるものです。教えている内容も大切ですが、生徒が将来的に英語力を伸ばすことができるよう、効果的な学習習慣をつけてあげるのも、教師の大切な役割です。教員自身の英語力と同時に、正しい勉強方法を教えることができる指導力も重視されていくでしょう。

地域で上位の中学校や高校の英語教師は英語力向上を目指すべき

CEFR B2未満であっても英語教師としての指導は可能です。しかし、教師に英語力がなくてもいいということにはなりません。特に、地域で上位の学校の場合、英語に注力したいと考えている親や生徒も多いでしょう。そのような生徒の多い学校では、当然、授業にも高いレベルを要求されることになります。

また、帰国子女ですでに英語が話せる生徒や、学校の授業以外に英語学習歴のある生徒もいます。そういった生徒に接する場合、教師が生徒以下の英語力であったら、生徒の英語力は十分に伸びませんし、生徒側の学習意欲の低下にもつながりかねません。

生徒の成長の芽を摘むようなことにならないよう、教師自身も自己研鑽していく必要があります。英語教師となるからには、これからの日本社会を担う人材を育てていくという自覚をもって、CEFR B2以上の高い水準の英語力を目指すべきといえるでしょう。

小学校の英語必修化で教師にも英語力が求められる?!

2020年度からは、小学校でも英語の授業が必修化します。小学校の教員は、中学・高校と違い、教科ごとの担当ではなく、全教科を教えることが求められます。そのため、小学校教員の場合、すべての教員に英語指導が求められていくことになります。

小学校英語の内容は基礎的なもので、さほど難しくはありません。しかし、小学校教師は、はじめて英語に触れる児童に一から教えなければならず、その後の英語力の基礎を作るという意味では、とても重要な役割になってきます。

今後は、小学校の教員にも、英語力・英語指導力が強く求められる流れになっていくことは間違いないでしょう。

英語教師が総合的に英語力を上げるための方法

英語教師の英語力向上の必要性を述べてきましたが、具体的にはどのような勉強法が効果的なのでしょうか?

より幅広い文書に触れて語彙力や読解力を向上する

英語教師に求められる資質は、正しい発音でネイティブスピーカーとも対等にコミュニケーションができる「生きた英語」です。生きた英語を使いこなすためには、発音はもちろんのこと、語彙力がなくては成り立ちません。英語でスムーズに授業を進行し、高いレベルの英語を生徒に指導すべく、英語教師も自ら幅広い文献を英語で読み、十分な語彙量を獲得する必要があります。

難しい文献をひたすら読み続ける必要はありません。まずは自分の興味のある分野の文書を読む、英語のニュースサイトを毎日チェックするなど、楽しんで続けられる学習を習慣づけるのが良いでしょう。読む文章の量が増えるにつれ、英語の読解力も上がっていきます。学校の学習教材や入学試験時に出される長文読解を教える指導力は、それまで読んできた英文量が如実に反映されます。必ず取り組みましょう。

英会話教室やオンライン英会話教室でスピーキング力を向上する

英語は、日常的に使わなければ伸びていきません。読む・聞くことも大切ですが、インプットした知識を、話す・書くというアウトプットに変換することで、より実践的な力として定着していきます。特に、日本人は自らの考えを英語で話す、スピーキング力が不足しています。英語教師なら尚更のこと、英語を話す機会を積極的につくり、スピーキング力の向上に努める必要があるでしょう。

英会話は、必ずネイティブスピーカーと行いましょう。ネイティブにチェックしてもらいつつ練習することで、正しい発音と生きた英語が身につきます。仕事や通学でなかなか時間の取れない方には、ネイティブスピーカーの講師が指導しているオンライン英会話も大変おすすめです。

中学・高校英語教師の英語力の現状と改善策まとめ

ますますグローバル化していく将来の日本を担っていくのは、まさに今、学校に通っている子どもたちです。そんな彼ら、彼女たちに英語を教える教師は、将来の日本を作る人材ともいえます。グローバル化社会に適応し、活躍する人材を育てるため、これからの英語教師にはよりハイレベルな英語力が求められます。

教師自身も、即戦力のある生きた英語を身に着けていいかなければなりません。まずは正しい学習法を意識し、世界と対等にコミュニケーションがとれる英語力を伸ばしていきましょう。

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