2020年度から実施される「大学入学共通テスト」。現在のセンター試験からどのように変更されるか、ご存知ですか?

「大学入学共通テスト」の英語対策はどうすればいいのか、またCEFR(セファール)という聞き慣れない英語評価基準にも、不安になっている受験生の方や保護者の方も多いと思います。

今回は、大学入試センターから大学入学共通テストへの入試改革の背景や、新テストと併用される民間の英語試験の詳細、また注意点などについて、現時点での最新情報をわかりやすく解説していきます。

※2019年11月に大学入学共通テストの英語について民間試験導入の延期が発表されました。新しい情報が入り次第、続報をお知らせいたします。

Contents

大学入学共通テストに切り替わった際の英語の扱いの変化

2020年度から実施予定の「大学入学共通テスト」では、マークシート方式の問題に加えて、記述式問題が導入されます。さらに注目すべき点は、英語の4技能を評価するために、民間の英語試験の成績が利用されるようになることです。

「大学入学共通テスト」は現在のセンター試験と同様、1月中旬に2日間に渡って行われ、2018年4月に高校に入学した学生から受験対象になります。

ここでは「大学入学共通テスト」に切り替わった際の英語試験の変化について詳しく説明します。

「読む」「聞く」の2技能評価から「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能評価へ

現在のセンター試験では、英語力の一部である「読む」「聞く」の2技能だけが評価されていますが、今回の大学入試改革によって「読む」「聞く」に加えて、「話す」「書く」を追加した4技能が評価されるのです。

その背景には、急速に進展するグローバル化があります。これから大学に行き、将来的に世界で活躍する若者達には、高度な英語のコミュニケーション能力を身につけることが必須条件となります。

「書く」「話す」を評価するために民間試験を採用するように

けれども、これら4技能を評価する試験を新規に開発し、実施するのは簡単ではありません。そのため、すでに4技能の評価をを行っている民間試験を活用することになりました。

以下、「大学入学共通テスト」に参加を認められた民間試験の一覧です。

資格・検定試験実施主体名 資格・検定試験名
Cambridge Assessment English (ケンブリッジ大学英語検定機構) ケンブリッジ英語検定
Educational Testing Service TOEFL iBTテスト
IDP:IELTS Australia※ International English Language Testing System(IELTS) (対象:「アカデミック・モジュール」)
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC® Listening & Reading TestおよびTOEIC® Speaking & Writing Tests
株式会社ベネッセコーポレーション GTEC
公益財団法人日本英語検定協会 ・Test of English for Academic Purposes(TEAP)
・Test of English for Academic Purposes Computer Based Test(TEAP
CBT)
・実用英語技能検定(英検)
ブリティッシュ・カウンシル International English Language Testing System(IELTS) (対象:「アカデミック・モジュール」)

※IDP:IELTS Australia:条件付きで、参加要件を満たしているとみなすことができると判断されています。
※2019年7月2日にTOEICは撤退を発表しています。

各種試験の詳細については、のちほど説明します。

尚、2020年度から2023年度までの期間は「大学入学共通テスト」の英語試験の成績と、上記の一覧表にある民間試験の成績両方が用意され、各大学はどちらか、または、両方のを合否判定に利用します。

CEFR(セファール)と呼ばれる国際基準で英語の成績が反映される

cefr

http://4skills.jp/qualification/cefr.html

CEFR(セファール)とは、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)」のことです。欧州評議会(Council of Europe)によって開発された、外国語の運用能力を測定するための国際的な指標です。2004年に日本語版が発表されてから、日本の高校や大学など多くの現場で英語教育の指標として用いられています。

CEFRでは受験者の外国語レベルをA1, A2, B1, B2, C1, C2の6段階で評価します。A1が初心者レベル、C2がほぼネイティブレベルであることを意味します。

例えば、面接時に「私は日本語のネイティブスピーカーで、英語はビジネスレベル、スペイン語は旅行会話なら可能です。」と表現するよりも「私は日本語はC2、英語はB2、そしてスペイン語はA2です。」のほうが、それぞれの言語の運用能力を明確に伝えられます。

今回の「大学入学共通テスト」に選ばれた英語の民間試験は試験ごとに独自の採点基準や配点があるため、別の試験を受けた受験者同士の英語力を単純に比較できません。このような場合に、CEFRの評価を用いることで受験者の英語力を正確に評価できるのです。

24年度以降は大学入学共通テストから「英語」が消える

さきほども述べたように、「大学入学共通テスト」の英語試験では2020年度から2023年度の3年間は、民間の英語試験の成績を利用するかどうかは各大学の判断に任せられています。ただし2024年度以降は、民間試験の成績のみが入学者選抜における英語の得点として利用されます。

大学入学共通テストにおける英語の注意点

ここからは「大学入学共通テスト」における英語試験の注意点について、説明していきます。確認しておかなければ受験時に十分な評価を得られない恐れがあるので、しっかり踏まえておくことをおすすめします。

大学によって民間試験の利用の有無が異なる

まず注意したい点は、大学によって入学者選抜に民間の英語試験結果を利用するかどうかが異なるということです。

例えば、2018年9月時点で東京大学は、2021年度東京大学一般入試(2020年度実施)において、民間試験の成績(CEFRで A2 レベル1以上に相当)を活用すると公式に発表しました。

しかし2018年9月以前までは、まだ多くの課題が残っているという理由で、入学者選抜において民間の英語試験の成績を利用しないと表明し続けていました。ただしこの発表の内容はあくまでも初年度(2021年1月)の試験のみに関する措置であり、翌年度については民間試験の成績を利用しなくなることもあり得るとしています。

このように、民間の英語試験の成績を利用するかどうかは各大学の判断に任されているため、本命・滑り止め問わず、これまで以上に志望大学の募集要項を確認する必要があります。

浪人生向けの別問題は作成されない

大学入試センターによると、大学センター試験から「大学共通入学テスト」に切り替わる最初の年(2019年度)の試験で「浪人生向けの別の問題を作成するなどの配慮はしない」という方針が明らかにされています。したがって、「大学共通入学テスト」は2018年4月に高校に入学した学生からが主な対象ですが、それ以前に入学した学生でも浪人した場合、新しい出題形式の問題への対策が必要になります。

大学受験に利用できる民間試験の受験結果には制限がある

民間試験の受験結果を大学入試に利用したい場合は、試験の受験期間に制限があるため、注意が必要です。

原則として受験生が高校に在学中の場合、高校3年生の4月から12月までの期間内に民間試験を受験し、そのうち2回までの受験結果が大学に提供されることになります。

大学入学共通テストの英語で併用される民間試験の特徴8資格

大学入試センターにより、一定の要件を満たすことが確認された民間試験8つの特徴をご紹介します。

実用英語検定(英検)

eiken

http://www.eiken.or.jp/eiken/

英検という呼び名で知られている「実用英語技能検定」は、コミュニケーションに欠かすことのできない4技能(「読む」「聞く」「話す」「書く」)をバランスよく測定するためのテストです。

テスト内容は、日常会話からビジネスシーンのような題材まで幅広く取り上げ、受験者の学習段階を考慮した質の高いものとなっています。また英検取得者は、多くの高校・大学の入学試験や単位認定で優遇されたり、海外留学時に世界各国の教育機関において語学力証明資格に認定されることも、人気の理由になっています。

英検のテスト結果は、スコアではなく1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級として与えられます。2018年8月以降、従来型の英検(紙の試験)と英検CBT(コンピューター試験)どちらかの試験方式を選んで受験可能です。

従来型の英検は年3回、英検CBTは年12回実施されます。

TOEIC Listening & Reading TestおよびSpeaking & Writing Tests

toeic

https://www.iibc-global.org/toeic.html

※2019年7月2日にTOEICは撤退を発表しています。

TOEIC(トイック)テストは、アメリカに拠点を置く非営利テスト開発機関 Educational Testing Service(ETS)によって開発・制作され、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)によって実施・運営されているテストです。

試験内容の大半が実際のビジネスシーンを想定していることにより、非英語圏での雇用や人事評価の際にTOEICスコアを用いる例が多くみられます。また日本の大学や大学院では、英検やTOEFL(トーフル)と同様に、受験生の英語力の証明に用いられます。そのため、仕事で英語を使う社会人や就職活動を視野に入れた大学生が多く受験しています。

リスニングとリーディングを扱うTOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&Rテスト)と、スピーキング・ライティングを対象とするTOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&Wテスト)とに分かれており、TOEIC L&Rテストはリーディングとリスニング各495点満点で評価され、TOEIC S&Wテストはスピーキングとライティング各200点で評価されます。TOEICテストのスコアは、CEFRのA1~C1レベルに対応します。

TOEIC L&Rテストは年10回、TOEIC S&Wテストは年24回実施されます。TOEICは対策学習本が非常に多く出版されており勉強しやすく、正しい努力で比較的高得点が取りやすい試験であるといえます。また就職活動の際にも企業からスコアを求められるテストであるため、良いスコアを取っておくことで将来的に役に立つでしょう。

airvipでは、TOEICについて詳しい勉強方法を多く紹介しています。学習状況に併せて、チェックしてみてください。

TOEFL iBTテスト

toefl

https://www.ets.org/jp/toefl

TOEFL(トーフル) iBTテストは、アメリカが拠点の非営利テスト開発機関Educational Testing Service(ETS)によって開発されたテストです。TOEFL iBTは、主に英語圏の大学・大学院に留学を希望する大学生・高校生向けのアカデミックな英語力を測定します。日本各地のテストセンターにてパソコンを使って受験します。TOEFL iBTは、年40〜45回実施され、これまでに世界中で延べ3,500万人以上が受験しています。

TOEFL iBTテストは、4つのセクション(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)から構成されており、リーディングとリスニングセクションの各セクションで少なくとも1問解答し、エッセイ1つとスピーキングの課題を1つ完了しなければスコアが出ません。

4技能それぞれが0〜30点で評価され、満点は120点です。TOEFL iBTのスコアは、CEFRのB1~C1レベルに対応します。スコアの有効期限は2年間です。

International English Language Testing System(IELTS)

ielts

http://www.eiken.or.jp/ielts/

IELTS(アイエルツ)は、ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTSオーストラリアによって共同運営されているテストです。日本では英検と同様、公益財団法人日本英語検定協会によって運営されています。世界140ヵ国、1,200以上の会場で受験することができます。

IELTS(アイエルツ)は、英語圏への海外留学や研修に参加する際や、またイギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請をする際に英語力を証明するのに最適なテストです。もともとはイギリス、ニュージーランド、オーストラリア、カナダの非常に多くの高等教育機関で認められていましたが、近年ではアメリカでもTOEFLに代わる試験として、入学者選抜時にIELTSのスコアを採用する教育機関が3,000を超えており、世界中で受験者が増え続けています。

IELTSには、2つのモジュールがあります。「アカデミック・モジュール」は英語圏の大学や大学院に入学できる英語力があるかどうかを評価するものであり、「ジェネラル・モジュール」は、英語圏で大学以外で研修する場合や移住申請の際の評価として用いられます。それぞれのモジュールで出題内容が異なり、大学入試センターが入学選抜時の成績として利用するのは、「アカデミック・モジュール」のスコアです。

またIELTSの成績証明書を得るためには、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのテストを全て受験しなければなりません。テスト結果は合否ではなく、1.0から9.0のバンドスコアで示されます。4技能の各パートごとの英語力がバンドスコアでとして与えられ、さらに総合スコアとしてオーバーオール・バンド・スコアが与えられます。IELTSのスコアは、CEFRのB1~C2レベルに対応します。

ケンブリッジ英語検定

ケンブリッジ英語検定試験は、英国ケンブリッジ大学の非営利団体ケンブリッジ大学英語検定機構によって実施されているテストです。日本での認知度はあまり高くありませんが、英語圏の大学・大学院への留学希望者が英語力を証明するために最適な、国際的な試験です。

ケンブリッジ英語検定は5つのレベルに分かれており、Key(基礎レベル)からProficiency(最上級レベル)となっています。

日本各地の認定センターで受験できますが、試験日や実施される試験の種類、受験料、年間の実施回数は試験センターにより異なるため、受験したい地区の認定センターのウェブサイトで確認することが必要です。ただし受検料に関しては、大学入試における民間試験として参加が認められたため、 2020年4月以降の受験については日本全国統一の受験料にて実施されるようになると発表されています。

またケンブリッジ英語検定の結果はスコアではなく、合否判定となります。 A~Eの5段階評価で、A〜Cは合格、D、Eは不合格となります。ケンブリッジ英語検定のテスト結果は、CEFRのA1〜C2レベルに対応します。

GTEC

GTEC

https://www.benesse.co.jp/gtec/

GTEC(ジーテック)はベネッセコーポレーションによって実施されているテストです。

「GTEC」シリーズには3種類の検定があり、レベル別に10タイプの問題タイプに分かれており、小学生から社会人までの英語力を継続的に測定することができます。その中で、中学生・高校生を対象とした試験は、学校単位でのみ申し込むことができます。

大学受験に活用できるGTECは3種類あり、GTECアセスメント版(4技能または3技能)、GTEC検定版(4技能)、GTEC CBT(4技能)です。アセスメント版は年2回、それ以外のGTECは年3回受験できます。

GTECアセスメント版とGTEC検定版にはそれぞれ難易度ごとに、CoreBasicAdvancedCBTの4タイプにわかれています。CEFRとの対応は、CoreはA1以下~A2レベル、BasicはA1以下~B1レベル、AdvancedはA1以下~B2のレベル、そしてGTEC CBTはA1~C1レベルです。

Test of English for Academic Purposes(TEAP)

TEAP(ティープ)は、主に高校3年生を対象とし、大学入試を想定して、上智大学と日本英語検定協会によって共同で開発されたテストです。

英語圏への大学留学時に遭遇する場面を考慮して作成されており、受験者の総合的な英語力を正確に測定するために、4技能(「読む」「聞く」「話す」「書く」)または、2技能(「読む」「聞く」)から選んで受験できます。

年に3回(2019年度は7月、9月、11月)実施されます。TEAPのスコアは、CEFRのA2〜B2レベルに対応します。

Test of English for Academic Purposes Computer Based Test(TEAP CBT)

https://www.eiken.or.jp/teap/cbt/about/

TEAPが紙のテストであるのに対し、TEAP CBTは英語での指示を解釈しながらコンピュータ上で操作を行うテストです。

受験者の総合的な英語力を正確に測定するために、試験内容は4技能(「読む」「聞く」「話す」「書く」)すべてのカテゴリーから構成されています。TEAP CBTは年に3回(2019年度は6月、8月、10月)実施されます。TEAP CBTのスコアもTEAPと同様、CEFRのA2〜B2レベルに対応します。

21年度からの大学受験における英語の勉強方法

ここからは、21年度以降の大学受験における英語の勉強のコツを紐解いていきます。受験期がこの時期に該当するという方や、お子様を持つご両親の方は、ぜひチェックしてください。

これまでのセンター試験対策に加え、民間試験用の勉強も並行して行う

大学入試改革の方針はまだ明確ではなく、21年度に1回目の「大学入学共通テスト」を実施した結果をみて、翌年度からの試験内容に変更を加える可能性も十分考えられます。

21年度以降に受験する学生の方は、大学入学選抜時の成績として利用される民間の英語試験だけに特化した勉強をするのではなく、どんな英語試験にも対応できるような基礎力をつけておくことをおすすめします。

どの民間試験に特化するかをあらかじめ決めておく

上記で説明した通り、民間の英語試験はそれぞれ特徴があり、高得点を取るためにはその試験に特化したテクニックやコツが必要になります。自分の志望大学がどの程度のCEFR(セファール)を求めているのかを調べ、そのCEFRのレベルに対応する点数を取れそうな民間試験を選びましょう。

CEFR(セファール)を基準に受験勉強の目標を立てる

CEFR(セファール)という基準が用いられるようになったことで、これまでよりも英語試験の対策がしやすくなったといえるでしょう。問題集に取りかかる前に、まずは自分が選んだ民間試験の傾向を調べ、出題パターンを把握し、目標スコアを持って戦略的に勉強するのが重要です。

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大学入学共通テストの英語まとめ

大学入試センター試験に代わって2020年度から実施される「大学入学共通テスト」の英語については、2020年度から2023年度までは大学側にまかされており、大学入試センターが問題を作成して実施する試験の成績、そして民間試験の成績のいずれか、または両方が入学者選抜における英語の得点として利用されます。2024年度以降はすべての大学で、民間試験の成績のみが利用されます。

「大学入学共通テスト」についてはまだ検討段階であり、公表されている内容は変更される可能性が大いにあります。志望大学の募集要項もあわせて、今後も注意して情報を集めていきましょう。

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