大人のみなさんは、「フォニックス(Phonics)」という英会話上達法を聞いたことがあるでしょうか? 英語を学校教育のみで学んでこられた方には馴染みのない言葉かもしれませんね。フォニックスとは、英単語のスペルと発音の関係性をルール化したもので、これを知ることで初めて見る単語でもスペルを頼りに発音することができるようになります。

フォニックスは、主に子どもが正しい英語の発音を身につけるために習うものですが、大人の発音矯正にも大変有効なのです。今回は、フォニックスの概要や、フォニックスを効率的に学習する方法やおすすめアプリについてご紹介してみたいと思います。英語の発音に自信のない大人のみなさんも、ぜひ恥ずかしがることなく、まずはフォニックスからはじめていきましょう。

なぜフォニックスを勉強する必要があるの?

大人の学習者の方ですと、「学校でも習わなかったルールを、いまさら新たに覚えるなんて面倒・・・」と感じてしまうかもしれませんね。ところが、フォニックスはもともと子どもの英語学習向けに開発されたメソッドであり、難易度も子ども向けに設定されているため、案外簡単に習得できます。

教材も子ども向けで、イラストや音楽などを用いて感覚的に学べるものがたくさんあります。スキマ時間を活用できるアプリなど、ツールを上手に使えばさらに楽しく、効率的に習得できますよ!

フォニックスは日本人に足りない「スピーキング力」の基礎になる

英語におけるリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能のうち、日本人が最も苦手だとされるのが「スピーキング」といわれています。英語には、日本語に無い独特な発音がたくさんありますので、難しく感じるのです。

学生時代に英語の発音を覚える際、英文の上にカタカナで読み仮名を振って覚えた方も多いかと思います。しかし、この方法は、正しい発音の習得を妨げてしまうことがあります。先ほども述べたように、日本語ではどう頑張っても表せない音が英語にはあるためです。そんなときに役に立つのが、フォニックスです。

フォニックスを習得すれば、英語のスペルを、日本語の読み仮名を介することなく音に変換できるようになるので、発音がぐっと英語らしくなっていきます。また、発音の規則性を覚え込んでしまうことで、読み仮名を丸暗記する必要もなくなります。

ルールを覚えればどんな英単語も正しく発音できるようになる!

具体的なフォニックスルールについてはこのあと説明していきますが、それぞれのアルファベットに対応する音がありますので、スペル1文字1文字にその音を当てはめていけば、初めて見る英単語でも正しく発音できます。

カタカナっぽい音ではなく、英語の音のまま頭に入れられますので、リスニング問題でスペルを書き起こすのにも役立ちますよ!

フォニックスルールの覚え方

それでは、具体的にフォニックスルールとはどういったものなのか見ていきましょう。アルファベット別に基本のフォニックスルールをご紹介しますので、こちらをご覧いただくだけでフォニックスルールの概要はつかめるはずです。

なお、ここでは発音のイメージを掴んでいただくため、便宜上カタカナで読み仮名を振っていますが、やはりカタカナで発音を正しく表現するのには限界がありますので、正しい発音についてはこの後ご紹介するアプリ等で実際の音を聞いて学んでいってくださいね!

母音のフォニックスルール

母音とは、日本語における「あいうえお」です。まずはアルファベット1字の母音を見ていきましょう。

:日本語の「エ」と「ア」の間の音を出します。「ェア」といった感じですね。
例)apple(ェアポゥ):りんご hat(ヘァット):帽子
:日本語の「エ」と同じ音ですが、日本語の場合よりも口を大きく横に開くイメージです。
例)egg(エッグ):たまご pet(ペット):ペット
:日本語の「イ」に近いですが、少しけだるい感じで発音します。極端に言えば、「イ」と「エ」の間くらいの発音です。
例)ink(インク):インク big(ビッグ):大きい
:「オ」と「ア」の間の音を出します。どちらかというと「ア」寄りの音になります。
例)pot(パット):鍋 hot(ハット):暑い
:口を薄く開いて軽く「ア」と発音します。
例)uncle(アンコゥ):叔父 cut(カット):切る

いかがでしょうか?A,O,Uは少し難しいですね。繰り返し練習しましょう!

ところで、英語の母音にはアルファベット1字で表すものだけでなく、2つ組み合わせることでまた違った発音になるものもあります。

AI:「エイ」と発音します。AとIそれぞれを発音するのではなく、このセットで覚えてしまいましょう
例)aim(エイム):目的 pain(ペイン):痛み

同様に、”AY”の組み合わせても「エイ」と読みます。
例)day(デイ):日 way(ウェイ):道

IE/EA:「イー」と発音します。口を横に大きく開くイメージです。
例)field(フィールド):野原 peak(ピーク):頂点

ただし、”IE”に関しては、語末に来る場合「アイ」と発音することもあります。
例)pie(パイ):パイ lie(ライ):嘘

OA:「オウ」と発音します。日本語の「オウ」に極めて近い発音です。
例)coat(コウト):コート boat(ボウト):ボート(船)
UE/UI:「ウー」もしくは「ユー」と発音します。
例)blue(ブルー):青 juice(ジュース):ジュース
OI:「オイ」と発音します。これは覚えやすいですね!
例)boil(ボイル):ゆでる oil(オイル):油
OU:「アウ」と発音します。つい「オウ」と発音してしまうことの無いよう気を付けましょう!
例)count(カウント):数える about(アバウト):約、おおよそ
EI:「エイ」と発音します。こちらも 日本人にとってはローマ字読みと同じなのでわかりやすいですね!
例)beige(ベイジュ):ベージュ色
OO:「ウー」もしくは「ウッ」と発音します。「ウー」の場合は口をすぼめて、「ウッ」の場合は「ウ」と「エ」の間くらいの音で気だるく発音すると、より英語らしく聞こえます。
例)noodle(ヌードゥ):麺 cook(クック):料理する
AU:「オー」と「アー」の間の音になります。日本語に無い発音なので難しいですね。
例)caution(コーション):注意 sauce(ソース):ソース

子音のフォニックスルール

母音に分類したアルファベット以外は全て子音になります。まずは1字ごとの発音を見ていきましょう!

:「ブッ」と唇から空気を勢い良く押し出すような感じで発音します。
例)bag(ベァッグ):バッグ cab(キャブ):タクシー
:「クッ」と喉奥で空気を破裂させるような感じで発音します。強めの発音です。
例)cat(キャット):猫 cake(ケイク):ケーキ
:舌で上あごをはじくような感じで、「ドッ」と発音します。
例)doll(ドール):人形 bad(バッド):悪い
:前歯で下唇を噛むようにして「フー」っと発音します。
例)food(フード):食べ物 festival(フェスティヴォゥ):祭り
:”C”と同じように喉奥で空気を破裂させて「グッ」と発音します。
例)good(グッド):良い game(ゲィム):ゲーム
:溜息をつくときのように無声音で「ハー」っと発音します。
例)hat(ハット):帽子 head(ヘッド):頭
:口をとがらせるようにして「ジュ」と発音します。
例)juice(ジュース):ジュース jungle(ジャンゴゥ):ジャングル
:”C”と同じ発音の仕方です。喉奥で「クッ」と発音します。
例)kite(カイト):たこ kick(キック):蹴る
:舌先を前歯の付け根に付けて「ウー」と発音します。日本語のラ行を発音する時と同じ舌の動きですね。
例)lucky(ラッキー):幸運 line(ライン):線
:上唇と下唇をピタッとくっつけて「ンー」と発音します。
例)mouse(マウス):ねずみ mountain(マウントゥン):山
:舌を上あごにピタッとつけて「ンー」と発音します。
例)name(ネイム):名前 neck(ネック):首
:口を閉じた状態から、空気を勢いよく押し出すような感じで「プッ」と発音します。
例)pan(ペァン):フライパン pencil(ペンソゥ):えんぴつ
:”C”や”K”と同じように喉奥で「クッ」と発音した後で「ウッ」と小さく発音します。聞こえ方としては「クヮッ」と言った感じになります。ちょっと難しい発音です。
例)question(クエスチョン):質問 quick(クゥィック):素早い
:舌を口の奥に引っ込めるようにして「ウー」っとこもった音を出します。ローマ字の感覚だとラ行をイメージしてしまいますが、そのイメージに囚われてしまうと”L”の発音との区別がつかなくなってしまいますので気を付けましょう。
例)rental(ゥエントゥ):賃貸の rail(ゥエイル):レール
:歯と歯の間から空気を漏らすようにして「スー」っと発音します。
例)simple(スィンポゥ):簡単な sick(スィック):病気の
:舌先で上あごの奥をはじくようにして「トゥッ」と発音します。
例)tape(テイプ):テープ top(トップ):頂点
:前歯で下唇を噛むようにして「ヴッ」と発音します。
例)vacation(ヴェィケイション):休暇 voice(ヴォイス):声
:口をとがらせるようにして「ウッ」と発音します。
例)week(ウィーク):週 window(ウィンドウ):窓
:無声音で「クスッ」と発音します。”C”の発音と同じように喉奥で「クッ」と言った後で、”S”の発音と同じように歯と歯の間から空気を漏らします。
例)relax(ウィラックス):リラックス tax(タックス):税
:日本語のヤ行と同じイメージです。「ィヤッ」といった感じですね。
例)young(ィヤング):若い you(ィユー):あなた
:歯と歯の間から空気を漏らすようにして「ズー」っと発音します。
例)zip(ズィップ):チャック、ファスナー zoo(ズー):動物園

続いて、母音の時と同様に、2文字以上を組み合わせた場合の発音について見ていきましょう!

GH/PH:”F”の発音と同じように、前歯で下唇を軽くかむようにして「フー」っと発音します。
例)laugh(ラフ):笑う photograph(フォトグラフ):写真
CH:口を尖らせて「チッ」と発音します。
例)chair(チェア):椅子 choice(チョイス):選択
SH:口を尖らせて「シュー」と発音します。「静かにして!」と言いたい時「シーッ!」と言うときのイメージです。
例)ship(シップ):船 shrimp(シュリンプ):えび
TH:歯と歯の間に舌を挟んで「スー」と息を漏らします。単語によっては濁ら「ズー」っと発音するケースもあります。
例)think(スィンク):考える together(トゥギャザー):一緒に
WH:”W”と”H”の発音をそれぞれつなげればOKですが、注意しなければならないのが発音する時だけ”HW”の発音になるという点です。「フッ」と息を吐きだした後、口を尖らせて「ウッ」と発音します。
例)what(フワット):何 whale(フエイル):クジラ
NG:見た通り「ングッ」と発音すればOKですが、鼻にかかったような感じで喉の奥から発音するのがポイントです。英文の中で登場するときは、音を飲み込んであまり発音しないようなケースもあります。
例)morning(モーニング/モーニンッ):朝 cooking(クッキング/クッキンッ):料理する

英単語・文法の勉強を始める前にフォニックス!

さて、フォニックスルールについてご紹介してまいりましたが、いかがでしたか?「やっぱり覚えることが多い・・・」「一文字一文字勉強するなんて遠回りなのでは?」とお感じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに覚えることが多いフォニックスルールですが、できるだけ早い段階で身に着けることで、その後の学習効果が大幅に変わってきます。もっと言うなら、英単語などの基礎学習に入る前にまず、フォニックスルールを身に着けていただきたいところです。

例えば「rock(石)」と「lock(鍵)」という単語があります。フォニックスを身につけていない状態で「ロック=石」とカタカナ読みで覚えてしまうと、いざ「lock」という単語が出てきてしまった時に混乱してしまいますよね。リスニング問題では尚更、お手上げ状態になってしまいます。

フォニックスルールを身につけておかないと、混乱を繰り返すことになり、本来の発音からどんどん遠ざかってしまいます。あとで発音を矯正するのはとても非効率ですから、まずフォニックスで発音ルールの知識を固めてしまうことが重要なのです。

大人でもまずは小学生レベルの教材からスタート

これまで正しい発音を意識した勉強経験のない方や、ふだんカタカナ英語で喋ってしまっている方は、まずはフォニックスの勉強から始めましょう。ここでは、フォニックスルールを学ぶことの重要性をご理解いただいたところで、さっそくおすすめの学習法をご紹介いきます。

大人がフォニックスルールを学ぶ場合も、まずは子ども向けのフォニックス教材を使いましょう。恥ずかしがらず、だまされたと思って子ども向け教材を開いてみてください。冒頭でも述べた通り、フォニックスルールは子どもの英語学習向けに開発されたメソッドですので、童心にかえったつもりで柔軟な頭で習得していくのが一番効果的なのです。イラストや音楽なども豊富な小学生レベルの教材から、ぜひスタートしてみましょう!

フォニックスの勉強におすすめのアプリ3選

大人の英語勉強では、スキマ時間の活用がとにかく重要です。教材を読んでいる時間が取れない方は、アプリを使ってフォニックスルールの学習をしましょう。フォニックスが学べるおすすめのアプリについてご紹介してます。

ABCフォニックス

ABCフォニックス

ABCフォニックスは、英語の歌を使ってフォニックスルールを覚えるアプリです。子ども向けなので「アルファベットのなぞり書き」といったかなり初歩的な内容も含まれますが、可愛らしいイラストや楽しい音楽に癒されながら学習に取り組めるのでおすすめです。

価格:無料(アプリ内課金あり240~1,200円)
利用可能端末:Android4.1以上、iOS 8.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。

AGO Phonics Sound Pad

AGO-Phonics-Sound

http://www.agocardgame.com/AGO-phonics-sound-pad.html

AGOカードゲームという学習ツールのアプリ版です。遊びながら英語での質問・返答を繰り返して、自然とフレーズを覚えていくもので、数々の英語教育現場で用いられています。3つのレベルに分かれており、ステップアップ式でフォニックスルールを学ぶことが出来ます。

先にもご紹介したような各アルファベットの発音を音声で確認できることはもちろん、実際の英単語の発音まで落とし込んだ学習もできます。

価格:無料
利用可能端末:Android4.0以上、iOS 6.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。

Phonics Genius

Phonics Genius

https://itunes.apple.com/jp/app/phonics-genius/id461659980?mt=8

フォニックスルールの発音をフラッシュ形式でスピーディーに効率よく学ぶことのできるアプリです。
海外のアプリなので設定言語がすべて英語ですが、単純な構造で感覚的に進められますので、難なく理解できるでしょう。
イラストなどは少ないですが、効率重視でサクサク学んでいきたい大人の学習者の方におすすめのアプリです。

価格:120円
利用可能端末:iOS 8.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。

英語を話す機会をつくってスピーキング力をさらにアップ!

フォニックスルールが身についてきたら、ぜひ英会話の機会をつくって実践してみましょう!教材やアプリを使った学習では、アルファベットや単語など細かい単位で発音練習することが多いため、長い文章になったり、会話になったりすると少々難しく感じると思います。

身近な外国人と英会話をするのも良いですが、まちがった発音を指摘してもらえる環境で練習をするのが最も効果的でしょう。自宅でできる方法だと、オンライン英会話が時間も選ばず便利です。

大人のフォニックス勉強まとめ

日本人が英語学習において最も苦手とする「スピーキング」。スピーキング力を上げるためには、まずはフォニックスの勉強から始め、正しい発音を覚えましょう。フォニックスルールの学習教材は子ども向けのものが多いですが、大人の方も恥ずかしがらず、手に取ってみてください。

時間のない方は、アプリを活用すれば移動中や待ち時間に勉強も可能です。できるだけ早い段階でフォニックスの勉強に取り組んで、美しい英語を身につけましょう。

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