TOEFL iBTテストは、英語の4技能すべてを測定する語学試験です。最近ではTOEICよりもこちらを重視する企業や大学が増加しています。

TOEFLは、4技能(Reading, Listening, Speaking, Writing)ごとにセクションが分かれており、セクションごとの対策が必須です。

この記事では、TOEFL iBTの対策に的を絞り、各セクションの対策方法についてまとめました。ぜひご一読のうえ、TOEFL対策に役立ててください。

Contents

まずはTOEFL iBTの各セクションの概要とスコア配分を知ろう

TOEFL iBTでは4技能すべてが評価されます。ここでは、TOEFLのセクションの特徴やウエイトなどを、簡潔に紹介していきます。それぞれ0~30のスコアで評価され、合計0~120点のスコアがつきます。

Reading(リーディング)

TOEFL iBTのリーディングの問題は、3~4パッセージの比較的長めの文章を読んで、その内容に関連する質問に答える形式です。一問一答形式の問題はありませんが、長文の中の語彙を問う問題などが数問あります。

問題数は36~56問あり、所要時間は60~80分です。

文章は論文スタイルであることが多く、求められるスキル・対策は「文章の全体像や流れを見通す力」です。断片的な情報を拾うことよりも、その文章全体で伝えたいメインメッセージは何か、といったことが問われる傾向にあります。

Listening(リスニング)

TOEFL iBTのリスニングで出題される問題は、大学の講義、研究室のゼミを舞台とした一部始終であることがほとんどで、舞台となる学問上の専門用語も出てきます。その情報を踏まえて、選択肢の中から状況などを選ぶ問題が出題されます。

問題数は34~51問で、所要時間は60~90分です。

あたかも自分がその場で講義を受けている、あるいはゼミに参加しているような立場で問題文が流れます。TOEFL iBTのそもそもの目的は、現地の大学の講義やゼミについていけるかをテストするものですので、かなりその目的に即した出題形式といえます。

Speaking(スピーキング)

TOEFL iBTのスピーキングでは、身近なトピックについて議題が与えられ、その議題を受けて自分の意見を口頭で述べる問題形式になっています。

問題数は6問、所要時間は20分です。

TOEFL iBTスピーキングは、英検二次試験のように生身の人間との対話ではなく、パソコンとの対話になります。一人でパソコンに向かってボソボソと話し始めることは、人によって気恥ずかしさを感じるかもしれませんが、周りの人も同じ立場だから気にしない、と割り切るようにするといいでしょう。

聞かれる内容は、議題に対して反対か賛成かを理由とともに述べる問題、5W1H系で聞かれたことに対して理由とともに答える問題などが頻出します。難しい語彙を使う必要はありませんが、論理的で説得力のある形で解答を話すことが対策方法として求められます。

Writing(ライティング)

TOEFL iBTのライティングの問題は2題出題され、制限時間は50分です。おおよそ1つの問題につき25分で解くことになります。文章や音声などで与えられた「タスク」をもとに、自分の意見を示す文章を作文する形式になっています。

英検のライティングでは解答用紙に手書きですが、TOEFL iBTではパソコンのキーボードによる手打ち入力です。かなり長い文章を正確に、時間内に入力する必要があり、タイピングが苦手な人だとかなり不利になります。英語とは関係のない部分ですが、対策として最低限ブラインドタッチによる英文タイピングスキルは身につけておきましょう。スペルミスの検出機能もないので、正しいスペリングで書けているかに気を配ることも重要です。

TOEFL iBTのセクション別対策に移る前に知っておきたいこと

ここでは、いざ対策勉強に移る前にTOEFL iBTのことについて知っておいてほしいことをまとめています。

まずは独特の問題形式を知り、慣れることが大切

TOEFL iBTはTOEICを実施するETSが作成するテストですが、性質はTOEICとはまったく異なります。TOEICはビジネスシーンや日常場面での英語に重きを置く一方、TOEFL iBTではほぼ100%アカデミック関連の内容が問われます。

そして、知らないと驚きがちなのが、テストの受験形式です。受験会場は大学や専門学校の、コンピューターがたくさん置かれた部屋であることが多いです。ここでヘッドセットをつけて受験するのですが、隣の受験者との仕切りがないことも多く、声が聞こえてしまうこともあります。

また、特に曲者なのがスピーキングとライティングです。ほかに類を見ない形式の問題が多く出題されますので、公式サイトの例題や対策本の問題を見て、事前に頭に入れておきましょう。

全体の問題の傾向として、リスニング能力が多く要求される

実はTOEFL iBTには、リスニング問題以外にもリスニングの力が試されるスピーキングとライティングのセクションがあります。

スピーキングの問題で与えられる議題は音声で流れますので、少しでも聞き間違えたらその問題の解答すべてが台無しになりかねません。また、ライティングでも音源により情報が与えられる問題があり、幅広い対策が求められます。

とにかくボキャブラリー(語彙力)と知っているイディオム(熟語)を増やす

TOEFL iBTで対策すべき語彙レベルは、TOEICよりも間違いなく上です。12,000語レベルとも言われており、日常ではまず目にしない英単語も頭に入れておくことが必要です。

言わずもがなですが、語彙は一朝一夕では身につきません。1万語レベルの語彙力を身につけるのであれば、少なくとも半年~1年くらいは期間を設けて、じっくり対策するようにしましょう。月並みですが、時間の合間などを利用したトレーニングが有効です。

また、TOEFL iBTで語彙と同じくらい重要なのが熟語です。「effect A on B(AがBに与える影響)」など、論文スタイルの英文で頻出する熟語は知っていないとスムーズに頭の中へ入ってきません。

Readingセクションの勉強方法

まずは、TOEFL iBTリーディングセクションの学習方法から見ていきましょう。

スキミングとスキャニングは基本

TOEFL iBTリーディングセクションで出題される文章は分量も多く、難易度も高いので、端から端まで丁寧に読もうとすると間違いなく時間がなくなります。

先述しましたが、求められるスキルは文章中の細かい情報を拾うことではなく、文章全体の筋を見通すこと、俯瞰的な視点で文書を読解することです。キーワードやキーセンテンスを読み取るスキミング・スキャニングが読解の基本作法になりますので、トレーニングをして習得・対策しましょう。

問題集を何度も解き、時間配分を身につける

知識としてTOEFL iBTの傾向を理解しただけでは不十分で、実際に手を動かしながら問題を解いていくことも必要です。特に1問あたりにどれくらいの時間が割けるか、どれくらいのペースで進めればよいかという時間面の対策は、何度も数をこなさないとなかなか身に付きません。

問題集は国内外のものが多数利用可能ですので、これらの教材をうまく利用して学習しましょう。

Readingセクション例題と解き方

では、実際に例題を解いてみましょう。ETSのホームページにTOEFL iBTの例題があります。リーディングセクションの問題「Meteorite Impact and Dinosaur Extinction」の文章を読んで、以下の問に挑戦してみてください。

In paragraph 2, why does the author include the information that dinosaurs had flourished for tens of millions of years and then suddenly disappeared?

a. To support the claim that the mass extinction at the end of the Cretaceous is the best-documented of the dozen or so mass extinctions in the geological record
b. To explain why as many as half of the species on Earth at the time are believed to have become extinct at the end of the Cretaceous
c. To explain why paleontologists have always been intrigued by the mass extinction at the end of the Cretaceous
d. To provide evidence that an impact can be large enough to disturb the environment of the entire planet and cause an ecological disaster

まずは回答の根拠が書いてありそうなパラグラフをチェックします。この場合、「In paragraph 2」と書いてあるので、第2パラグラフにキーセンテンスがありそうですね。そしてそこを見てみると、

While there are a dozen or more mass extinctions in the geological record, the Cretaceous mass extinction has always intrigued paleontologists because it marks the end of the age of the dinosaurs.
地質記録上、大量絶滅は何度も生じているものの、恐竜の時代を終焉に導いた白亜紀の大量絶滅は常に地質学者たちの好奇心を掻き立てている。

という記述を見つけることができます。この文の直後に、恐竜が繁栄して、そして絶滅した、という文章が続きますが、この前後の文章がリンクしていることが読み取れます。そのため回答はc.になります。

このように、隅から隅まで細かく読むのではなく、ピンポイントで解答の根拠を探す方法で行うと、効率的に解くことができます。

Readingセクションおすすめの勉強教材

TOEFL iBTリーディング対策の定番はETSが発行する公式問題集です。かなり量も多く、これ一冊でかなりの範囲をカバーできます。TOEFL iBT対策には必携の一冊といえます。日本人向けに書かれたものと英語版がありますが、どちらを使うかはケースバイケースで選びましょう。

Listeningセクションの勉強方法

次は、TOEFL iBTリスニングセクションの勉強方法です。

シャドーイングは基本

シャドーイングはリスニングトレーニングの基本です。CD音源が手元にあるのであれば、ぜひその音源を何度も聞いてトレーニングと対策をしましょう。

自分なりの「メモの取り方」から勉強する

TOEFL iBTリスニングセクションで聞く問題の尺はものすごく長く、5分以上通しで流れる場合もあります。その中で流れてくる情報を頭の中だけで記憶することは不可能に近いです。

そのため、リスニング中に適宜メモを取る必要があります。しかし、ただ取ればいいというわけではなく、メモの取り方自体も対策を行うべきです。キーセンテンスをしっかりとらえる、話の流れ、筋をとらえることに特に力を入れてメモが取れるようになる必要があります。後で自分が理解できる程度に、分かりやすさ重視で簡単な絵や略記で済ませるようにしましょう。

Listeningセクション例題と解き方

それでは、TOEFL iBTリスニングセクションの例題も見てみましょう。もう一度、ETSのサンプル問題の10ページ目にあるトランスクリプションを見て、以下の設問を解いてみてください。

What are the speakers mainly discussing?

a.How the woman should prepare for the next game
b.The woman’s responsibilities as team captain
c.Things that happened while the woman was away
d.The style of the new team uniforms

この会話は、バスケットボールのコーチと女子生徒の一対一のやり取りになっています。バスケットボールの話が進む中、結婚式の話にシフトする展開になっているので、耳だけで聞いてこの話を円滑に理解するには相当なリスニング能力が必要です。

設問は、会話の主題は何か、ということですので、全体の筋を理解した上で解答する必要があります。

まず、女子生徒が兄弟の結婚式に参列したためクラブの練習にしばらくの間参加できなかった、そのためその間に練習で行われていたことのレビューをしようとした、というシチュエーションから始まります。さらに話は展開し、男性のコーチから(1)クラブのジャージをリニューアルするという話題、および(2)来週から転校するメアリーの後任としてキャプテンにならないか、という話がなされ、それらは彼女が不在中に出た話題であったことが告げられます。

これが話の一連の流れですが、全体を通して語られていることは、女子生徒が不在中に何があったか、ということです。正解はc.になります。

Listeningセクションおすすめの勉強教材

ジャンルを問わず、数をこなして何でも聞くトレーニングも有効ですが、TOEFL iBT対策の場合には、アカデミック系の音源を集中的に聞いたほうがベターです。

おすすめはTEDのプレゼン、特にアカデミック系のプレゼンをピックアップして繰り返し聞いてみることです。TEDのプレゼンは科学、工学、芸術とジャンルが多岐に渡りますが、特に科学や社会学系のプレゼンを探してみましょう。検索で「science」などのキーワードを入れて探すとたくさんヒットします。

この手のプレゼンのいいところは、きちんと科学論文や学術発表の手続きを踏襲してプレゼンが行われていることです。つまり、研究の背景、目的、方法、実験や調査の結果、考察、結言という流れをきちんと踏襲しており、TOEFL iBTで頻出のスタイルと一致します。TEDのスピーチは対策の一環として数多く利用できます。

Speakingセクションの勉強方法

次に、TOEFL iBTスピーキングセクションの勉強方法を解説します。スピーキングで求められるスキルは、ネイティブのようなきれいな発音で流暢にしゃべることではなく、いかに論理的に、筋道を立てて自分のスタンスを英語で述べることができるかどうかです。このことをしっかり理解して勉強・対策方法を考えましょう。

内容の理解と自分の言いたいことを明文化するためにメモは必須

話の筋、構造をきちんと通すには、まず自分のスタンスを明確にすることが重要です。二者択一の論点が提示された場合は、まずどちらの意見を支持するかを明確にしましょう。ちなみに自分の本心とは異なっても、自分にとって作りやすいロジックと立場を選ぶことも可です。

そのときに、どのような論理構造で主張を通すのかを明確にする必要がありますが、このとき、メモを取る必要があります。演繹法を使うのか帰納法を使うのか、論理破綻をしていないかどうかなどを確認するためには、紙の上で矢印やマークを書きながら自分が構築しようとしている論理構造を描画するトレーニング・対策も必要になります。

日常生活でスピーキングの機会を作る

論理の筋道を立てた後には、それを声に出して話す必要があります。TOEFL iBTスピーキングの対策に限りませんが、英語のスピーキングトレーニングは自分一人で行うよりも、可能であれば仲間を相手に行うほうが実践的で効果も高く、何よりモチベーションがアップします。安価で利用できるオンライン英会話などのツールを駆使して、スピーキングの機会を作りましょう。

Speakingセクション例題と解き方

では例題を見てみましょう。こちらもETSのサンプル問題からの引用文です。

Some people think it is more fun to spend time with friends in restaurants or cafés. Others think it is more fun to spend time with friends at home. Which do you think is better? Explain why.
レストランやカフェで友人と楽しく過ごすことと、家で友人と過ごすこと、どちらがいいと思うか、理由とともに説明せよ

という問題です。

まずはスタンスを明確にしましょう。今回は、レストランやカフェで過ごすほうに賛成、ということにします。そして、主張の根拠をいくつか考えます。今回は、「新しい発見があるから」と「料理などの手間がかからずに楽だから」の2つにしてみましょう。ここまで15秒で準備する必要があります。

後は残りの解答時間45秒で考えたことを話すだけです。主張→根拠→主張のように、根拠を主張で挟む方法が王道です。回答例は以下の通りです。

I had better to spend time with my friends in restaurants or cafes, rather than at home, because I can find something new whenever I go into newly visited restaurants. Also, I do not need to spend time on preparing meals, washing dishes, and etc. That is why I love to spend time with friends outside.

Speakingセクションおすすめの勉強教材

TOEFL iBTスピーキングは、参考書やCDを教材に対策できません。必然的にツールなどを駆使して対話のトレーニングを積む必要があります。

先ほど説明したオンライン英会話などが強力なツールです。コストもかからず継続してトレーニングが行えます。

Writingセクションの勉強方法

「アカデミック・ライティング力」を磨く

TOEFL iBTのライティングを攻略したいのであれば、「アカデミック・ライティング」について知り、対策する必要があります。

アカデミック・ライティングとは、英語、日本語問わず、論文やレポートを書く人が必ず守るべき手順に従って作文することをいいます。序文→本文→結論の構成や、特にパラグラフの組み方などに注意して、何よりも「読み手に分かりやすく主張を伝えること」に重きを置くことが特徴です。

アカデミック・ライティングを学ぶ場合、欧米の小中高生が使う国語の教科書(日本人から見れば英語の教科書)が非常に参考になります。日本で行われる国語の授業では、「自由にのびのび」というスタンスで作文の授業が進められますが、英米ではそれが正反対で、徹底的にアウトラインに沿った論理的な文章を作文するトレーニングがなされます。

TOEFL iBTライティングでももちろん上記のルールに従う必要がありますので、もしアカデミック・ライティングについてよく分からないという場合は、簡単な参考書から学習・対策してみてください。

ライティング内容を添削してくれるサービスを活用する

TOEFL iBTライティングは、独学でのトレーニング・対策が難しい分野です。しかし今では、特に苦戦しがちな「論理的な文章が書けているかどうか」という点を見てもらえるライティングの添削を受けられるサービスもあります。

Writingセクション例題と解き方

それでは、実際にどのように解けばいいのかを解説します。テスト問題の25ページ、Q1の問題を見てみましょう。この問題は比較的長めの講義内容を聞いて、その内容を要約する問題になっています。

このパッセージは、紙の投票が電子投票で置き換わらない理由を女性の教授が説明するという話の流れになっています。主張は何か、根拠は何かということに注意をしながらキーセンテンスを拾い集め、要約して仕上げましょう。

26ページに模範的な回答が載っていますが、5つのパラグラフのうち、第1パラグラフがスタンス、2~4でそれぞれ理由、最後のパラグラフで再度スタンスを明示するという構造になっていることが分かるでしょうか。この構造は、スピーキングセクションの例題で説明した、根拠を主張で挟むという構文とまったく同様で、ライティングでもこのテクニックがそのまま応用できます。

Writingセクションおすすめの勉強教材

上記でも説明しましたが、英米の学校で使われる国語の教科書は非常に参考になります。特に小学生向けの教科書は説明がシンプルで分かりやすいので、海外から取り寄せて利用することをおすすめします。

TOEFL iBTの対策方法まとめ

TOEDL iBTが非常に難しいことは事実です。しかし、今回の記事で説明したように「論理的な文章の読み書き」に特に力を入れて学習・対策していけば、必ずスコアは向上することでしょう。筋道立てて説明をすることができるかどうか、意見を簡潔にまとめられるかどうかといった力が試されます。そのことを理解して対策に取り組んでください。

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